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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■「スマイルカーブ」と「リバーススマイルカーブ」
僕は「リバーススマイルカーブ」とバリューチェーン使って業界構造の説明する事が多い。
僕としては、「リバーススマイルカーブ」という言葉は、一般用語並にちょくちょく使っている。
で、「リバーススマイルカーブ」について調べてみようとGoogleで検索してみた・・・。
『リバーススマイルカーブに該当するページが見つかりませんでした。
検索のヒント
- キーワードに誤字・脱字がないか確かめてください。
- 違うキーワードを使ってみてください。
- より一般的な言葉を使ってみてください。』
うっ。
「リバーススマイルカーブ」は俺様オリジナルの用語だったのかっ!
Googleでひっかからないくらいなので、僕以外は誰も用いていない用語だと思われる。
自分で作った造語なのに、いつの間にかその事を忘れて日常的に用いていたようである。
「リバーススマイルカーブ」は今後、オクノ総研では多用するであろう用語なので、説明しておくことにする。
まずは、「スマイルカーブ」から。
■「スマイルカーブ(∪)」
バリューチェーンの上流と下流は付加価値が高く、中流の付加価値が低くなることを説明する際の概念。付加価値をバリューチェーン上にマップすると、「∪」こんな形になるので、スマイルカーブと言う。エイサーのスタン・シー会長が言い出しっぺらしい。
■「リバースススマイルカーブ(∩)」
「スマイルカーブ(∪)」を使ってデジタル社会のバリューチェーンを説明しようとすると、「スマイルカーブ(∪)」本来の意味とは逆になり、説明しにくいことから、対立概念としてオクノ総研総裁が勝手に使い始めた用語。「∩」こんな形になるので「リバースススマイルカーブ(∩)」と呼ぶ(事にした)。
僕が「スマイルカーブ(∪)」と「リバーススマイルカーブ(∩)」という両方の概念を使い始めた理由は、デジタル社会のバリューチェーンを説明しようとすると、「スマイルカーブ(∪)は事業規模」、「リバーススマイルカーブ(∩)は収益性」と勝手に再定義すると便利ではないか、と思ったからである。
そもそもの「スマイルカーブ(∪)」は製造業について議論するために存在するものなのだけれど、今となっては製造業を単独で議論してもほとんど何の意味もなさないと思う。
製造業に閉じたバリューチェーンの議論は通用しない。
バリューチェーンは広がっており、それぞれの要素は融合し、連携している。
僕はスマイルカーブの定義を「本来とは全く逆のもの」として利用している。
MBAな人にとっては、違和感があるだろう。
携帯電話業界を例にとってみる。
バリューチェーンの構造をばさっと概略すると以下のようになる。
日本携帯電話事業は垂直統合なのだけれど、例としての利用なので、バリューチェーンが解体されている、と仮定して話を進める。
「ネットワーク」→「プラットフォーム」→「コンテンツ」→「携帯電話端末」
この場合、事業規模は「スマイルカーブ(∪)」である。
収益性は「リバーススマイルカーブ(∩)」になる。
携帯電話のネットワークや端末の事業規模は売り上げで言えば「兆」の単位だし、従業員数では「万」の単位である。
それに対し、プラットフォームやコンテンツの事業規模は「億」の単位、従業員数では、百名〜千名の単位である。
事業規模で考えると「スマイルカーブ(∪)」になる。
だが、収益性を見ると全く逆の「リバーススマイルカーブ(∩)」になる。
一般的に言って、ネットワークや端末よりもプラットフォームやコンテンツのほうが付加価値を出しやすく、収益性も良い。
インフラやハードウエアよりもプラットフォームやコンテンツ、すなわちサービスのほうが収益性が良く見える。
なので、世の中的にはサービス事業へのシフトが呪文のごとく叫ばれている。
だが、規模を見てみよう。
全く違う。
「兆」VS「億」、「万」VS「百〜千」。
比較にならない。
携帯電話事業の垂直統合がアンバンドル化されたとする。
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02月13日(日)
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