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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■コンサルティングファームの謎 Cコンサルティングファームのブランド戦略
コンサルティングファームは具体的な製品を持たない。
店舗もない。
無形のコンサルティングサービスしか提供していない。

目に見える製品・サービスを提供していないコンサルティングファームにとってブランド戦略は重要である。
特に戦略コンサルティングはプレミアムサービスなので、ブランド力がコンサルティングファームの営業力と直結する。

ロゴ、名刺、ウェブ、会社案内のデザインに力点がおかれているのは当然。
僕のファームの名刺も銀インクを立体的に載せた、通常の倍以上のコストがかかる凝った名刺である。
唯一の製品とも言える、報告書を作成する際のデザインコントロールも大切。
報告書の内容のクオリティーは当然だが、見た目もブランドとしては重要なポイントである。

その他、オフィスも重要。
オフィス、特にクライアントやメディアの人の目に付く部分は格好良くなくてはならない。
オフィスの住所も重要だ。
戦略コンサルティングファームは、港区以外に存在してはならない。
譲っても、千代田区、中央区までが限界だろう。
たとえ、港区内であっても、麻布、六本木、赤坂、青山以外はダメ。
浜松町や新橋では頂けない。

だが、コンサルティングファームが人で成り立っている以上、最も重要なブランド戦略は人である。
戦略コンサルティングは人が提供するため、コンサルタント自身がブランドである必要がある。

一番手っ取り早いのはコンサルタントの「スター化」。
スターコンサルタントを祭り上げる事によって、コンサルティングファームのブランドを確立する。
「スターコンサルタント候補」をファーム内で選び、集中的に雑誌やメディア、書籍、セミナー、講演等により多く露出する。
これはあくまでも企業としてのブランド戦略の一環なので、その「スターコンサルタント」が必ずしも卓越した能力を持っているが必要はない。
雑誌や書籍の原稿など、いくらでもスタッフにゴーストライトさせれば良いからだ。
セミナー資料や講演用のスクリプトもスタッフが用意する。
メディアに数多く登場する「スターコンサルタント」のうち、一体何人が本当に自分で執筆をしているのか、はなはだ疑わしい。
要するにスターコンサルタントを「顔」として擁立するのである。

コンサルティングファームのブランド戦略にとって、僕のようにブランドに直結した商品であるくせに、堂々とバカを世間に晒す人間は迷惑千万な存在なのである。
03月14日(金)
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