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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■アナログ機器には愛を感じるけどデジタル機器には愛を感じない
僕は、デジタル機器においても僕独自の環境設定を行っている。
だけど、それは数時間かければ再現可能だ。
数年かけて自分の理想が実現できるギターとは時間軸が全く異なる。
数時間と数年間の違いはとてつもなく大きい。
アナログ楽器であるギターは、ちょいちょいっ、と調整したくらいで自分のモノにはならない。
僕はデジタル野郎の癖に、愛用のギターアンプも未だにフルチューブである。
デジタルどころか、トランジスタすらも使っていない真空管モデル。
マーシャルのJCM2000のスタック。
電源を入れて通電してから5分間待ち、ようやくメインスイッチを入れて音を出す。
21世紀になってもギターアンプはいまだに真空管。
そして、もうひとつの愛の対象はバイク。
Ducati998。
これまたアナログの極致。
国産バイクとは全く異なり、理不尽とも言える神経質さ。
走っている時間よりもカウルを空けて、メンテナンスしている時間のほうが長い。
おかげで工具だけはたくさん揃った。
少しだけ、バイクのメカニズムにも詳しくなった。
最近の僕は、デジタル機器をキーボードやソフトウエアツールを使っていじっている時間よりも、アナログな機器をはんだごてやスパナ、ドライバーを使っていじっている時間のほうがずっと長い。
僕の指を、腕を見よ、傷だらけだ。
ギターの改造のために、慣れないはんだごてを使って、火傷。
クルマやバイクのエンジンが熱い状態でいじってまた火傷。
バイクのカウルをはずし、クルマのエンジンフードをはずし、マニュアルには「メンテナンス工場にご相談ください」と書かれている部分をいじる。
AudiTTは、ブラックボックス化されている要素が大きくて、ほとんどいじりようがないのだけれど、Ducatiは自分でもメンテナンスできる要素が多い。
アナログ万歳!
アナログ機器はゴーストを持たない。
だからこそ、僕はアナログ機器を愛する。
デジタル機器は、ハードウエアには愛は感じない。
僕の脳の延長線上にあるデジタル機器が持つのは、複製可能な環境であり、データだ。
身体の拡張であるアナログ機器は、複製ができない。
だからこそ僕はアナログ機器に愛を感じ、デジタル機器にはドライに接する。
デジタル機器を「愛しすぎる」人々と僕は微妙に違う。
他人から見りゃ同じかもしれないけど。
■iPodやPDAを「愛しすぎる」人々
http://hotwired.goo.ne.jp/news/print/20050802201.html
08月04日(木)
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