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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■与党と野党の本来あるべき立場の逆転現象
郵政民営化法案が参議院で否決された。
1ヶ月前の僕は郵政民営化法案は、可決されて当然、という感覚でいた。
参議院での否決は、あきれるしかない。
そして、衆議院の解散。
参議院で法案が否決されて衆議院が解散する、というのは本来ならおかしいのだけれど、小泉さんの論理では、公約を守れなかったら解散する、とのこと。
筋が通っているようで通っていないのだけれど、信念を貫く、という覚悟は評価したい。
多くの国会議員が郵政民営化法案に反対する理由は3つある。
@全国特定郵便局長会(全特)をはじめとする既得権益団体の集票力維持(国家公務員が選挙活動?)
A財政投融資の既得権確保(郵貯や簡保で集めたお金で田舎に道路とかをつくる)
B自民党、小泉内閣への嫌がらせ(郵政民営化には賛成だけど、やっぱ野党としては何でもかんでもとりあえず反対しとけ)
郵政民営化反対論者は国民の利益など考えてはいない。
郵政民営化法案そのものが既に骨抜きのクソ法案にまで貶められているのに、それでも反対、否決とは・・・。
小泉内閣は解散し、総選挙。
郵政民営化だけを焦点に選挙をする、というのもどうか、とは思う。
郵政民営化だけを論点にすれば世論の総論は郵政民営化に賛成。
なので、郵政民営化に反対の立場を取る各政党は、郵政民営化だけが争点ではないぞ、と主張している。
個人的に斜め上の視点で見て、今回の総選挙がおもしろいな、と思うのは、従来の与党、野党の立場が完全に逆転していることである。
与党である自民党が改革を標榜し、野党が保守を標榜する。
与党が既得権益打破、野党が既得権益維持。
こんな事態は珍しい。
僕のかつての政治に対する、選挙に対する基本姿勢は決まっていた。
与党に対抗する最大野党に投票する。
与党の保守、既得権益維持に対するカウンター票。
だが、今回は大きく様相が異なっている。
真逆である。
おもしろい。
与党が改革、既得権益打破。
野党が保守、既得権益維持。
これって、普通は逆だろう。
既得権益を持っているはずの与党が自ら既得権益を打破しようとしている。
ついに僕も自民党に投票することになるのか・・・。
今回ばかりは自民党に投票せざるを得ない。
もちろん、総選挙は、郵政民営化だけが論点ではないのだけれど、民主党をはじめとする野党の主張には、全く同意できないので、今回ばかりは自民党を支持せざるを得ない。
ちなみに民主党も改革を唱えていないわけではない。
立派に改革を唱えている。
民主党の「憲法提言中間報告にはおもしろいことが書いてある。
>(1)グローバリゼーションと情報化に伴う新しい変化や価値に応えるために。
> ◆国家主権の移譲や主権の共有へ
> ◆アジアとの共生
EUみたいにアジア諸国との共生をめざして、日本という国家主権を移譲し、主権を共有化したいらしい・・・。
民主党が政権を握ったら、日本「省」になって、通貨は「元」になるのかな?
僕は、今回の郵政民営化法案の否決の様子を見ていて、改めて議会制民主主義の限界を感じた。
公約を信じて投票しても、議員「個人」の「信念」とやらで覆される。
その信念が上記の@〜B。
与党と野党の本来あるべき立場が逆転している、というのはおもしろい現象だ。
野党は「B自民党、小泉内閣への嫌がらせ」のつもりなんだろうけど。
結果的に、野党の立場は改革阻止、既得権益維持、のスタンスとなっている。
国民の大多数は郵政民営化なんてどうでもいい、というのが本音なのだろうけれど。
民主党が政権を取るような状況になったら、僕のポジションは円売りドル買いかな。
08月08日(月)
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