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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ たい焼き一匹分の思考
前日にたい焼き屋の前を通りがかってから、頭の中でたい焼きがはね続けていたので、自転車漕いで買いに行った。
店の前の縁台でたい焼きにかぶりついていたら、すぐそばの交差点からマイクで何やら訴える声が聞こえてきた。
どうやら朝日新聞に怒っているらしい。
朝日新聞の件については、当事者はもちろん、ニュースを発信する一人一人が言葉の重みを見つめ直す機会になればと願う。
けれど、言葉をしめつける方向に走るのはこわい。
言葉で失った信頼は、沈黙ではなく、言葉で取り戻していくしかない。
それにしても、マイクで声高に主張する女性に、どうして好感を持てないのだろう。
同じことを男性が訴えていても、さほど気にならないのに。
声のトーンのせいなのか。
わたしも、「女なのに」とどこかで思っているのか。
怒っていることはすごく伝わるけれど、怒っていることしか伝わらない。
熱くたぎった言葉を連ねているのだけれど、耳を傾ける気がしない。
こちらの耳と心が閉じてしまっている。
何が足りないのか。
ユーモアか。
怒りでぎゅうぎゅう詰めになっていて、他の感情が入り込む隙がないのかもしれない。
感情がたかぶっていると、そうなってしまう。
子どもに叱るときも気をつけなきゃ。
子どもだけじゃなくて、誰に対しても。
話を聞いてもらうためには、隙が大事。
そんなことを考えている間に、たい焼きはしっぽを残すのみとなり、一匹まるまる胃におさまった。
あんこは、ぎゅうぎゅうでも、よし。
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09月18日(木)
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