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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 「つばさ」第8週は「親子の忘れもの」
昨日の日帰り奈良の旅、「万葉LOVERSの集い」を終えて東京へ帰る途中にもお楽しみはあり、京都駅で下車して、映画『幸福のスイッチ』の監督で脚本家でもある安田真奈さんと初対面。今井雅子ファン第一号の岡山のTOMさんが湯布院映画祭で安田さんと知り合い、「お二人は絶対に合うはず!」と仲人役を買って出て、メールを交わすようになった。「関西人」「年がひとつ違い」「会社勤めを経て脚本家に」という共通点に同じ年に初めての子どもを出産というオマケも加わり、「一度お会いしたいですねえ」と言い合ううちに3年経った。

西口改札ですんなり待ち合わせてからの一時間半、初対面というより再会のような打ち解けた雰囲気で、お見合いは予想通り、いや予想以上に大成功。あまりに話すことがありすぎて、話題に詰まる空白というものがなく、話せば話すほど、「うわっ、こんなとこまでそっくりやん!」という発見が続々。安田さんはわたしの卒業した大学の学部を受験し、コピーライターの勉強もされていたという。子育てで感じていることにも「わかるわかる」という近しさがあり、「こんな話を考えたんですよ」とわたしが言えば、「おんなじこと考えてますねえ」と安田さん。身近に脚本家の知り合いはほとんどいないので、同世代の女性と母国語(大阪弁)で「映画は2年3年かかって、どないなるかわからへんから、ギャンブルやねえ」などと仕事の話をできるのも新鮮で楽しかった。宇治の茶房「中村藤吉」の甘味処の「最中の皮といただくあんみつ」にも大満足。ジェイアール京都伊勢丹が手がける食空間「SUVACO(スバコ)」の3階にあり、西口改札目の前のエスカレーターを上がってすぐ。

安田さんからは「京ばあむ」というバームクーヘンをお土産にいただいたが、奈良のイベント会場に駆けつけてくださった初対面のいまいまさこカフェ常連、殿一気!!さんからは山崎屋の「奈良漬サブレ」と「飛鳥の蘇」という古代の乳製品をいただき、行きの京都駅から奈良の会場までの道中をご一緒してくれたさのっちさんからは、京都北山のマールブランシュのバターカステラ「さざれ」と名古屋の桂新堂のえびせんべい「初涼み」を頂戴する。食いしんぼを公言していると、皆さん、おいしいものを持ち寄ってくださり、ありがたい。マールブランシュは京都での学生時代、自転車を漕いでケーキを食べに行った店。ころころと可愛らしい丸いカステラが、当時の思い出を運んできてくれた。

今日は打ち合わせに奈良漬サブレを持参。サブレがほろりと口の中で溶けた後に残る奈良漬の食感と味を称して、「ドラマとは、かくあるべし。甘いサブレかと思いきや、別な味わいを残すもの」とプロデューサー氏。今回の万葉ラブストーリー3作品は、いずれも後味にふくよかな余韻があった、とあらためて昨日の完成披露試写を振り返った。

さて、一昨日の日記にも書いたように、明日からの朝ドラ「つばさ」の第8週「親子の忘れもの」と第9週「魔法の木の下で」は、「脚本協力 今井雅子」のクレジットが毎日出る。その案内メールの反響が週末の間も届き続け、「観てますよ」や「来週から観ます」という声に励まされた。「8週9週のお知らせというメールのタイトルを見て、子どもができましたの報告かと思った」という天然ボケな同級生からの反応も。


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05月17日(日)
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