ID:93827
脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
[786588hit]
■ 第3回万葉LOVERSのつどい
NHK奈良主催の脚本コンクール「万葉ラブストーリー」募集の審査に第1回から関わっている。企画を立ち上げたNHKの高田雅司君が大学の同級生という縁で声をかけてくれ、映画監督の井筒和幸監督、万葉学者の上野誠先生という著名なお二人とご一緒させていただいている。
授賞式が「受賞脚本のドラマ化作品」の完成披露試写を兼ねているのが、このコンクールのユニークなところ。受賞の喜びに加えて作品が形になる喜びまで味わえ、おまけにその感動を大スクリーンで観客と分かちあえる。賞金額とは別に「ごほうび感」でいうと最強のコンクールかもしれない。
その授賞式兼完成披露試写イベント「万葉LOVERSのつどい」の第3回の会場は、ならまち文化センターの大ホール。300名収容の客席はほどよい傾斜で、舞台からの眺めよし。脚本の応募数だけでなく、イベントに集うお客さんも着実にふえている印象。
ちなみに、第1回、第2回はこんな感じ。
◆2008年09月15日(月) 「第2回万葉LOVERSのつどい」でますます万葉ラブ!
◆2007年12月12日(水) 万葉LOVERSのつどい
始まる前に上野先生と雑談してたら、「愛しき、古(うつくしき、いにしえ)」で万葉ラブ初の男性受賞者となった福島敏朗さんが「缶コーヒーのジョージアのCMを作っていた」と話すのが聞こえ、思わず、「わたしのいた広告会社がやってた企画なんですが」と割って入ったら、福島さんはその企画をカタチにする制作会社でディレクターだったとのこと。「じゃあミタさんとイトウさんとやってたんですか?」と話がつながる。第1回の受賞者には高校の同級生がいたし、世の中狭い狭い。
第一部のトークでは、上野先生、前回もご一緒した中村宏アナウンサーと今回初めての松本純キャスターとともに受賞3作品に登場する歌3首(今回は「桃」「梅」「桜」がそろった)を紹介しながら、花の歌からドラマを発想するヒントを話す。いつもながら上野先生のリードは天才的。わたしの特大ビスケット指輪を引き合いに「今、スイーツのアクセサリーが人気」という話題から「花を贈られるとき甘い気持ちになる」と語り、今回のテーマ「花の季節と万葉集」へ導いた。大きすぎるのがアダのビスケット指輪、あのサイズなら客席からもよく見えたかも。
第二部は授賞式に続いて完成披露試写。今回は偶然3作品とも花と職人が登場するので、「脚本家の仕事は職人。今日の感動を糧にして書き続け、作品の花を咲かせて」と祝辞を贈る。ドラマは3回目らしい完成度の高さで、会場はよく笑い、よく泣き、惜しみない拍手に包まれた。こんなに温かく観客に受け入れられる試写はそうそうない。
今回は奈良町の俯瞰ショットのオープニングから1本目の舞台の墨工房に寄っていって1本目のファーストシーンが始まるというつかみの良さが新鮮。さらに、1本目のラストの墨工房の店舗の場面が2本目のファーストシーンになり、2本目のラストが梅の木の下にたたずむそばを通りがかるトラックから3本目が始まるという形で3作品がなだらかにつながる。若者の初々しい恋、伴侶を失った男性の再生、老いらくの恋という並びも絶妙で、オムニバスのパッケージ感がお見事。654編から選ばれた脚本の力はもちろん、テイストの違う3作品をひとつの世界にまとめあげた演出の伊藤敏司ディレクターのセンスに唸った。場内が明るくなっても涙がひかず、あわてた人も多かったかもしれない。司会の中村アナもその一人で、涙をこらえながらマイクに向かったが、「オヤジが職人だったもので……」と言いかけて言葉に詰まり、客席の涙指数を再び上げた。
まだまだ書きたいことはあるけれど、ひとまずここまで。
京都駅から会場までの移動におつきあいくださった方あり、会場に駆けつけてくれて初対面が叶ったた方あり、今回もラブがいっぱいな集いでした。
ただいま京都へ移動中。新幹線に乗る前に、『幸福のスイッチ』監督の安田真奈さんと、ついに対面。関西人同士で、年が近くて、子どもも同い年。むっちゃ盛り上がりそうで楽しみ!
【お知らせ】ドラマ「万葉ラブストーリー」放送
[5]続きを読む
05月16日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る