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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 火事と水回りクリーニングの木曜日
今夜の子守話の舞台は、ハウスクリーニング屋さんに掃除してもらいそびれたお風呂。湯船にキラキラ光るものが浮かんでいるのを見つけて、娘のたまが「キラキラ」と両手を小刻みに動かしてお星様の仕草をした。その正体は、七色に光るセロファンをリボン状にしたプレゼント用の梱包材。くっつきやすい素材なので、手か足にはりついたままお風呂までついてきてしまったのだろう。ひらひらした長細い体が揺らめくさまは、お湯の気持ちよさに骨抜きになってお星様が伸びている姿にも見える。お風呂をピカピカにする代わりに、お星様がピカピカになる話をつくった。
お風呂に おっこちた お星さま
たまちゃんがお風呂に入ったら、お星さまがプカプカうかんでいました。
「あれ? お星さまもお風呂に入るの?」とたまちゃんはびっくり。
「すいーっと流れてきたら まどがあいていて
ぽちょんと おっこちてしまったんですよお」
お星さまが きもちよさそうに言いました。
だらんと体がのびているのは 流れ星だからでしょうか。
それとも ぬくぬくのおゆに うっとりしているからでしょうか。
「お風呂はいいですねえ。体がきれいになる気がします」
お星さまは長くなった体をゆらゆらさせながら言いました。
「お星さまは、とってもきれいよ」
「こう見えて、けっこうよごれているんですよ。
空にはチリやゴミがたくさんただよっていていますから」
「じゃあ、お星さまをあらってあげる」とたまちゃん。
せっけんをたっぷりつけて タオルでごしごしみがくと
お星さまはツルツルのピカピカになりました。
「ああすっきりした。なんだか生きかえった気分です。
体の中からげんきが出てきましたよ」
お星さまは のびきっていた体をしゃきっとちぢめて
ギザギザの角っこがついたお星さまらしい形になって
キラキラと手をふりながら空へかえっていきました。
「あ、いた!」
たまちゃんが空をゆびさしました。
ひときわピカピカと光っているお星さまが、ひとつ。
お風呂におっこちたお星さまにちがいありません。
02月14日(木)
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