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与太郎文庫
by 与太郎
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■ PRAD《印刷入門》 例会レポート(簡易印刷)
売部門のふたつがあるわけで 販売部門とは要するに化粧品のことです
ね そのメーカーでビッグ・ファイブをあげれば たとえば資生堂……
河部 いえ 美容業界では資生堂はずっと下位になります
── すると 化粧品業界と美容業界はまるで別の市場なんですね そ
こで河部さんのお店では 美容業界のトップメーカーであるところのロ
レアルに力を入れられた結果 営業所の倉庫を上まわる在庫をもってお
られる こうなると 先の技術部門と販売部門のウェイトが 他のお店
に比べて あきらかに販売部門の伸長いちじるしく 将来予想される価
格面での競合についても 充分な対応力を備えたわけで マスセールに
不可欠な販路の拡張と実績は すでに確保されたようです 私たち素人
が美容室について抱いていたイメージは 主として技術部門に限られて
いましたが 現実はこうした段階に来ているわけですね ただし こう
なるに至ったのも 私よくは存じませんけれど 美容院のお客さんは 
平均して一時間ばかり座っているわけですから いわゆるセールス・ト
ーキングの時間に恵まれた商売でもある と思われますね
吉藤 これは正にそのとおりでしてね 先だって私も 河部さんのお店
を見せてもらって感心したことなんですよ たとえば数千枚のカルテが
ありまして 河部さんが たえず目を通されて いつ何時でも目的に応
じて選別できるらしいんです だからダイレクトメールにしても 
必要な内容を 必要とする顧客に対してだけ届けられるわけで まこと
に効率的だと思いますよ
── 密度のたかい顧客管理力晋求される時代になったんですね たと
えば野球ファンの例ですとセ・パ両リーグの選手登録数は約600名にす
ぎない(笑)
 
 ■ 顧客管理の実際
 
河部 私どもの商売では お害さまの顔を覚えることが最初の仕事でし
てね 若い子をはじめて店に出しますと とりあえず十人くらい お客
さまの顔と名前を書かせてみるんです この覚えかたが なかなか苦労
でしてね なにしろ頭髪はシャンプーして泡だらけ 白いクロスをかけ
ますので顔かたちを覚えるというのは不可能なんです(笑)ひとつの方
法は履物の種類や色で覚えることですね そして早くお名前をカルテか
ら発見するのかフロントの任務ですね
吉藤 名前で 呼びかナることが重要なことでしょうね
── 客商売にかぎらず 記憶そのものを管理するというのが アメリ
カ方式といえるかもしれませんね《セールスマンの死》なんて戯曲もあ
りましたけれど 担当者が死んだり 配置転換になっても困らないよう
なファイリング・システムが完成しているわけです 新米の担当者がハ
イウェイをぶっとばして スーパーマーケットの仕入部長に会いに行き
ます“昨日は奥さんのお級生日でしたね 息子のジョン君はお元気です
か”というような話題を初対面でやってのけるんです
吉藤 FBIなんかも すごい資料室があるらしいですね
── FBIの資料室については 小噺がいくつかありますね この方
はたぶん犯罪関係者が中心でしょうけれど 日本の場合は 資料とかカ
ードの形式でなくもっぱら生き字引きが主役ですね 古い旅館なんかで 
何年ぶりかで訪れた客に支配人や女中さんだけでなく 掃除の爺さんま
でが顔を憶えていて“久しぶりでございます この前に来られた冬より
も今年はしのぎやすうございます”などという 最近はどうか知りませ
んけど
吉藤 ヨーロッパ・スタイルは また別のやり方になるんでしょう
── ヨーロッパでは 伝説みたいなのが多くて たとえば ライカで
したか ベンツでしたか 砂漠のまんなかで故障したので 無線連絡し
たらへリコプターで運んできたとか(芙)
吉藤 ロールスロイスの話じゃなかったですか
── 各社それぞれに伝説があるのかもしれません アメリカ式がカー
ドによる知識情報サービスであるとすれば ヨーロッパ式は 技術もし
くは物的保証なんですね たとえば ダンヒルのパイプは吸口の部分を

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12月06日(火)
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