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与太郎文庫
by 与太郎
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■ わが経営を語る   林 正典
 ……あなたは経営者という仕事が好きですか? 経営者の仕事には、
心配ごとや困難なこと、そして思い責任があるんですよ。それでも好き
ですか? もし好きでなければ、あなたは経営者の仕事を止めるべきで
す……。
 取締役も部長も課長も、それぞれ仕事と立場が異なるが、その仕事や
立場が、好きでなければならない、といわれるのです。
 たとえば課長というのは、上と下の板ばさみの状態であることが、解
決への道程であります。
 私自身の反省を申しますと、二世という意識から、若干義務的な形で、
経営にタッチしてきたのではないか、会社があったから、社長に命ぜら
れるから、社員も居るから、という姿勢があったのではないか。経営に
従事する者は、その苦しみを楽しみとするくらいでなければ、現時点の
難問を乗りこえられないのではないだろうか。し霊前に、そういう信念
を持ちあわせていなければならない、ということに思い至りました。
 戦後の子供が、ドライで割りきった考えに偏っている原因の一つとし
て、親の姿の変化があるようです。
 私は、ことし40歳になりますが、私の世代では、たとえば母親の姿を
思い浮べる時、洗濯といえば洗濯板でゴシゴシと洗っている姿でした。
夜になってお休みなさいをいう時には、母親は編みものはつくろいもの
をしていました。
 戦後の子供にとって、洗濯といえば、電気洗濯機というキカイが思い
浮かび、夜になってお休みなさい、をいう時の母は、テレビを観ている
わけです。キカイに置きかえられた母のイメージが、子供に情を失わせ
た、とも思われます。
 経営者についても、私たち自身の姿が、そのまま従業員に訴える力と
なるのではないか、実際の行動ひとつひとつに信念のある態度を示して、
その中にも私たち自身の反省が認められなければ、全員の協力を得て、
危機を脱出できないのではないか、と思われます。 なかなか、できそ
うでできることではありませんが、松下幸之助さんは、しばしば“素直
になれ”といわれるが、当の、松下さん自身、素直になるのに30年かか
ったそうです。しかしヘボ碁も毎日、10年間打ちつづけておれば、初段
になれると申します。
 毎日毎日“素直になろう”と努力する、謙虚な気持ちになることが大
切であると考えます。
 
 記録者 1979年度経営開発委員会 第二小委員会
     深町 征四郎
     高村 睦浩
  (JC 倉敷青年会議所)
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 有岡 正樹 ? 経営評論   19..・・
 深町 征四郎  山陽美装社長 193.・・ 山口 倉敷 1980・・ 4. 車中排ガス自殺
 林 正典 日本包装運輸社長 1939・・ 神戸 群馬 19850812 45 航空事故死
── 朝日新聞社会部《日航ジャンボ機墜落 19901005 朝日文庫》P266
 
 深町 征四郎  ワーゲンクラブ会員
〒710笹沖20000629JC倉敷青年会議所事務局421-9566(Mrs.Eguchi)
 OB訃報は《集年誌》に所載。命日を問合せるも、不詳。

02月18日(日)
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