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Kenの日記
by Ken
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■混迷する中東情勢
今月10日トルコのアンカラで大規模な自爆テロが発生し、死者約100人と数百人の負傷者という大変大きな犠牲者を出しました。これはトルコ政府が7月からイラク北部の「IS」支配地域へ空爆を開始したことに対する報復とみられています。
このトルコの空爆は「イラクのIS支配地域」と言いながらも「IS」に果敢に反抗するクルド人武装勢力(PKK・ペシュメルガ)への攻撃も含まれていました。従ってトルコへの報復テロの犯人は「IS」なのか「ISに反抗するクルド人勢力」なのかはっきりしません。
これと殆ど同じ状況がシリアでも起っています。親アサド政権のロシアは「IS」を攻撃すると言いながら「反アサド武装勢力」を空爆したのでした。「反アサド」のアメリカ・欧州はロシアの行動を非難していますが、トルコの「反政府組織爆撃」は容認しています。
イラク北部のクルド人武装組織は「IS」と陸上で真面から戦っている非常に貴重な「武装組織」ですが、トルコ政府とイラク政府からはテロ組織とされています。イラク政府をバックアップするアメリカもイラク政府軍に比べて勇猛なクルド人武装組織には武器供与をしていたようです。しかしここにきてトルコ政府が「IS]空爆に参加したのでクルド人勢力への攻撃を容認せざるを得ませんでした。
しかしイラクとシリアにおいて「IS」と陸上部隊で闘っている「反政府組織」の兵士にしてみれば、「IS」空爆のついでに後ろから(空から)弾を撃たれてはたまりません。クルド人武装グループはこれまで友軍だと考えていたアメリカが自分を見捨てたという状況に大変ショックを受けていると思います。「兵士勧誘」に長けている「IS」はこういう極度に混乱した状況下において自らに同調する兵士を集めるのだと思います。
10月23日(金)
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