ID:85567
Kenの日記
by Ken
[99106hit]
■足摺岬を目指す遍路2日目
第37番岩本寺から第38番の金剛服寺までは80.7Kmあり、札所の間の距離としては88カ所の中で最長です。そして次の第39番延光寺は半島から離れた内陸部にあるための、足摺岬の先端から戻ってこなくてはなりません。足摺岬から戻る方法には半島の西側を回って帰る道と、半島東側の同じ道を戻ってくる方法があります。
ここではお遍路さんの趣味や都合によって遍路道を選びことができます。時間に余裕があり足摺岬をたっぷり堪能したい人は足摺近辺で一泊して西側海岸をあるくことができます。一方先を急ぐ遍路は同じ東側の道を戻ることが39番に向かう最短コースとなります。この場合も余裕を見て足摺で一泊するか、少し長いけれど足摺岬を日帰りで戻ってくる方法があります。私は足摺岬先端にある第38番から20Kmの場所にある民宿「久百百」に宿を取り、足摺岬までの片道20Kmを往復しようと考えました。そして民宿「久百百」に連泊することにしました。
民宿「久百百」は民宿「たかはま」からは約34Kmの距離にあります。今朝は6時40分から歩き始めて民宿久百百には4時40分頃に着きました。約10時間の歩行でした。しかし明日の40Kmに比較すると大分短い行程でした。民宿久百百の手前に民宿「安宿」という遍路に人気の宿がありますが、そこから足摺岬までは23Kmとなります。「安宿」さんからの足摺岬往復は少し難しいと考えました。
民宿「久百百」は足が痛いといって辛そうに歩くご主人が一人で切り盛りしていました。この日は客が少ないのでご主人が料理作りもしていました。遍路客客同士で話をしている中で「明朗・活発な久百百の女将さん」の話題がでました。遍路客の間ではかなり有名なようです。ご主人に奥様はどこかへ出かけているのかと伺うと、なんと女将さんは「股関節手術」で入院中だという返事が返ってきました。9月下旬に退院できるとのことですが、股関節を人工関節に代えると大分リハビリ期間が必要です。「女将さん」が不在の間は自分も膝の痛みを抱えるご主人が一人で、客の多いときは近所の人達の手助けを得て運営しているのだそうです。足摺岬に向かう遍路には大変便利な、そして有名な民宿ですので何とか長く運営していって欲しいと思いました。
民宿「たかはま」からの「久百百」への行程は「四万十市」東部を縦断するものでした。水の奇麗さで有名な四万十川は下流では多くの川が合流して大河となっています。度々海岸近くを通る遍路道からは雄大で波の大きい太平洋を見渡すことが出来ます。波が高く天気も良いのでよい波を求めてサーファーが集まっているようでした。これまで高知からずっと遍路道に寄り添ってきた国道56号線は四万十市から海岸を通らずに宿毛市へ向かいます。足摺岬へは「国道321号線と県道」を通っていくことになります。この道沿いにはコンビニも無ければレストランも殆どないので「久百百」では歩き遍路客に昼食用の「お握り、バナナ、ヤクルト、キャンディ」を用意してくれます。これで大助かりでした。
09月18日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る