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Kenの日記
by Ken
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■スリランカ内戦終結6年目
5月19日は2009年同日にスリランカ内戦が終了してから6周年の記念日でした。スリランカでは過去5回前ラジャパクサ大統領政権下で"Victory Day"として「お祝い」されてきました。今年1月の大統領選挙でシリセーナ氏がラジャパクサ氏に勝利し、シリセーナ政権は5月19日を"Remembrance Day"と改め、民族・敵味方関係なく内戦で亡くなった犠牲者を追悼する記念日という位置づけに変更しました。
首都コロンボで大規模な追悼集会が行われた一方、北部の前LTTE支配地で最後の激戦地となったムライティヴ近郊ではタミール人の犠牲者追悼行事を行うことが初めて許されたということです。過去5年間は旧LTTE支配地域の北部・東部の宗教施設・政党事務所・報道機関の建物は5月19日に不測の事態が起きないよう厳重に監視され追悼行事も許されなかったということです。
内戦終了後も民族間の融和が進まず、働き手を戦争で失ったタミール人の人達への経済支援の仕組みが上手く機能しない時間が経過してきました。内戦終結を実現した前ラジャパクサ大統領は長年の国家の懸案を解決したとして「英雄」扱いされ、その延長で近親者を枢要なポストに就けた身内に利益を誘導する半ば独裁政治が行なわれてきたのでした。今年就任したシリセーナ大統領はラジャパクサ政権で方向を誤ってしまった様々な政策をひとつひとつ是正していこうとしています。「Victory Day」から「Remembrance Day」に変更したことは非常に思慮深い政治決断は素晴らしいものだと思いました。
05月20日(水)
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