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Kenの日記
by Ken
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■遍路九日目(室戸岬を目指す第1日目)
○室戸岬を目指す行程1日目
距離:29.3Km 歩数47,042歩 宿:海部生本旅館
ウミガメ荘から第23番薬王寺までは1.7Kmあり片道30分位かかるのですが、昨日の内に参拝を済ませたので今日は素通りとなります。第24番最御崎寺までは75.4Kmという長丁場なので、第24番まで行くまでに途中で2泊する予定です。
今日の行程は薬王寺から27.6Km先にある海部と言う町の生本旅館までです。ウミガメ荘が第23番とは逆の方向だったり、途中に遍路地図には載っていない「旧遍路道」があったりして遠回りしたので今日も実際の歩行距離は30Kmを越えていたと思います。今日の区間では3人の遍路と相前後しながら進みました。一人は奈良から来ているという遍路馴れしている若い男性。彼とは以前に会っていました。そのときは外国人の女性遍路(既に一周しているベテラン)と一緒でしたが、今日は一人でした。彼女がどうしたのか聞いたところ足の豆の水膨れが酷いために今日は「日和佐」で一日休養しているとのことでした。彼は歩きのペースが早く休憩も少ないのでズンズン進んでいきました。
また、一緒に歩いているフランス人の男性(フィリップさん)と韓国人の女性(ノ・ウルさん)とも出会いました。フィリップさんは長期休暇を取って日本を回っているのだそうです。ノさんは学生で二回目の四国遍路だということでした。二人とも寝袋を担いで基本的に「善根宿」での宿泊で回っているという強者です。ノさんは小さなテントも背負っているのだそうです。二人ともかなり大きな荷物を背負っていました。
薬王寺から15Kmくらいの進むと牟岐の町があります。その牟岐警察署近くの接待所はネットでも非常に有名です。私が牟岐警察署あたりで「接待所」を探していると後ろから「フィリップさん」と「ノさん」が追いついてきました。3人一緒に少し進んで牟岐の接待所で休ませてもらいました。この日は二人のおばさんが居て非常に親切に接待してくれました。まずお茶・お菓子を出してくれた後にゆで卵を出してくれました。今日は歩き遍路の数が少ないようで手持ちぶさただったようで、我々3人が訪れると「待ってました」という勢いでした。この接待所は地域のボランティア30人位が順番に面倒をみているとのこと。この牟岐警察署を過ぎた辺りから遍路道は急に厳しくなりますので、この接待所で心構えをするのは良いことだと思いました。
遍路地図には「国道55号線」を唯一の遍路道と指定してるのですが、実際には「旧遍路道」が多く存在しています。たぶん昔の遍路道は切り立つ岬の山沿いにくねっていたのだと思いますが、「55号線」はトンネルを掘って「直線道」にしてしまっています。また「国道」は古い街中を通らずに街を迂回しますが、旧道は街の中心地区を貫いています。複数の遍路道がある場合にはできるだけ旧道を歩こう考えて遍路道を選択することにしました。その結果この牟岐警察署から「鯖太子」までは殆ど旧道を通ることとなりました。旧道は海岸の岩場などをも通っていて高低差があり、全く人が通っていない静かなものでした。
次のお接待場所は海部の町の手前のカラオケカフェのお接待でした。丁度出てきてくれたカラオケカフェのおばさんが私を見つけて「寄ってきなさいよ」と声を掛けてくれました。そのカラオケカフェでは客のおばさん4人とおじさん2人が歌っていましたが、おばさんグループは私と入れ替わりぐらいで帰っていきました。外に遍路休憩用の長イスがあり、そこでカフェのおばさんは冷たい水とチョコ二つをお接待してくれました。中ではおじさんふたりがギンギンに歌っています。
私が埼玉から来たというとカフェのおばさんは息子さんが大宮で暮らしていて高校生になる孫がいると話し始めました。70才になるというそのおばさんは非常に元気で、息子の世話にはならんと言っていました。中で歌っているおじさんは90才と78才だとのいうことですが演歌の歌声は相当な上級者だと分かります。おばさんが一曲歌って行きなよ言うので、誘いに乗って遍路道中で大声で歌っている「カタリ」を歌ってしまいました。
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05月07日(木)
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