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Kenの日記
by Ken
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■遍路三日目(第12番焼山寺参拝)
○旅館吉野から「第12番焼山寺」13.4Km
○「第10番焼山寺」から宿鍋岩層まで3.4Km
歩行距離:16.8Km 歩数:30,888歩 宿:鍋岩荘
旅館吉野を06:45分に出発して、昨日参拝した第11番藤井寺本堂の横から登る山道に挑戦です。お昼ごはんは旅館吉野に「おむすび二つ」を頼んでおきました。この遍路道には6箇所の「遍路ころがし」と呼ばれる急坂があります。そうした急坂を含め第12番焼山寺まで12.9Kmあります。普通の人が歩くと6時間かかるコースです。「焼山寺から3.4Km下ったところに今日の宿の「鍋岩荘」があります。
藤井寺から最初の休憩所「長戸庵」までが3.2Kmですが、最初から急坂連続なのでこのコースに初めて挑む遍路をビビらせます。焼山寺まの12.9Kmの遍路道沿いには3つの「庵」がありますが3つとも廃業しています。二番目の柳水庵はつい最近(と言っても数年前)まで営業していたとのことで遍路の中にはそこに泊まった経験のある人も多くいます。長戸庵・浄蓮庵は相当以前から営業停止となっているようで建物の朽ち具合はひどいです。
四国遍路道を世界資産に登録しようという動きがあるようですが、遍路のサポート設備であった遍路道沿いの「庵」がどんどん廃屋化していってしまうと、世界遺産としての価値が損なわれてしまう気がします。とはいっても季節で極端に増減する遍路客だけを相手にして宿泊施設を維持するのは難しくなっていることも事実です。一方で、「庵」と対照的に札所となっている「寺院」には納経料はじめかなりお金が入るらしく、新しく改装したり建物を増築したりする寺院はいくつもあるようです。札所となっている寺院が「庵」の面倒をみれば良いのだけれどそのようにはなっていないらしい。というのも寺院にとっては個人の歩き遍路よりも観光バスで回る団体遍路客の方が都合が良いらしいです。
遍路道途中にある遍路用民宿の営業にも大きな問題が発生しているようです。運営者高齢化のために「歩き遍路」に親しまれてきた有名な民宿がどんどん閉鎖されています。海釣り、海水浴等も取り込める立地にある民宿はまだ存続可能なようですが、昔ながらの遍路相手の民宿は継続が非常に難しくなっているようです。高速道路の整備によって車の便利が良くなり車で回る遍路の宿泊施設選択範囲が変わってきています。
もっとも歩いて遍路するが側も考えるべき事はあると思いました。お尻洗い便座付ききトイレが合った方が良いとか、温泉があったほうが良いとか贅沢を言わないようにすべきだと思います。民宿運営者としては設備更改したのは当然だと思いますが、資金回収は保証されていません。
長戸庵から柳水庵までは3.4Km、柳水庵から浄蓮庵までが2.2Kmで、浄蓮庵から焼山寺までが4.1Kmです。さすがに「遍路ころがし」は急な坂道が長時間続きます。登りの急坂は疲労しますが安全です。危ないと思ったのは下りの急坂です。勢いがついて滑ってあしの着地を間違えると足に怪我をする惧れがあります。特に長時間歩いた後で足の筋肉の踏ん張りが効かなくなる頃合が大変危険です。この焼山寺の坂道を経験してみて四国遍路を決意することは大変な事だと改めて実感しました。
「12番焼山寺」は非常に裕福なお寺のようで参道に通ずる遍路道に信者の寄進による整備が進んでいます。四国88カ所の札所の寺院には全国からかなりの寄進があるようです。お寺への寄進に関する「税制度」がどうなっているのか知りませんが、寺だけ儲かって、道の整備とか民宿の整備み資金が回らなければ、遍路文化は永続できません。寺院・自治体・遍路団体、観光業者などが集まって、今後の方向性を論議すべきだと思いました。
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05月01日(金)
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