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Kenの日記
by Ken
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■スペインの巡礼の道
四国八十八霊場の遍路のルートを勉強しているのですが、四国遍路に似ていると思われるスペインの「カミーノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路)」について少し調べてみました。この道は世界遺産に登録されているものでテレビでもしばしば取り上げられる有名なものです。
四国遍路八十八箇所を一周する距離は1132.2Kmです。この長さは各札所の本堂の前を基準に計っていますので、本堂・太子堂の移動を考えると移動距離は更に長くなります。これに対しスペイン国内の「カミーノ(道)」の代表的な二本の道は、スペインのピレネー国境の町「ロンセスバージェス」から「サンティアゴ」に続く755Kmの「フランス人の道」、この道と途中で合流する別の出発点「ジャッカ」から出発する822Kmの「アラゴンの道」です。四国遍路もカミーノの日本の未知も踏破するには数十日を要します。但しカミーノがスペイン内陸部を通過していくことに対して、四国遍路は四国周遊なのでところどころで「海」が見えることは大きな違いだと思います。
道の暦史には不思議な類似点があります。「四国遍路道」は弘法大師が中国から帰国して四国の慣れ親しんだ各地の寺を修行の場として815年に確立したとされていて昨年が1200周年の記念の年でした。一方「カミーノ」の歴史は、813年に現在のサンティアゴ・デ・コンポステーラの地で聖ヤコブの墓が発見されたことが始まりなのだそうです。弘法大師が自分の生まれ故郷の四国に修行の場を作ったことに対し、12使徒の一人聖ヤコブはスペインで布教活動をした後エルサレムで殉教しましたが、その遺体が嘗ての思い出の国「スペイン」にもたらされ、埋葬されていた場所が「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」なのだそうです。
ユーラシア大陸の東西の端で同じような巡礼が行われ、宗教に違いがあっても現代の巡礼者達が沿線の人々から暖かく歓迎される文化が残っていることに不思議な感動を覚えます。
04月24日(金)
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