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Kenの日記
by Ken
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■カンツォーネコンサート予約
殆ど毎年のように来日し全国各地で公演を行っていた団体に「ウィーンの森バーデン市オペラハウス」と「イタリアナポリターナ楽団」があります。「ウィーンの森バーデン市オペラハウス」は来日すると東京での公演は行わずに物凄い強行スケジュールで日本各地を回っていました。このオペラハウス招聘は「小林さん・小杉さん」という二人の日本人が地方でも上質のオペラ公演を実現することを目的に尽力していたようですが、日本でのオペラブームの成熟を背景に招聘者の高齢化もあってか(想像です)2013年を最後に来日していません。
イタリアナポリターナ楽団のカンツオーネ公演は歌手二人と小編成オケをリーダの「サンドロ・クトゥレーロ」さんが率いる音楽集団(一座)で大型観光バスの演奏者全員が乗って日本を駆け回ります。こちらは2015年公演が7月に決まりました。今回は埼玉県内の公演がないので休日の「横浜公演(横浜みなとみらいホール)」のチケットを確保しました。
日本のオペラブームはかなり成熟してきたと思います。新国立劇場の演奏水準は年々上がり、来日オペラハウスはよほどしっかりと準備して公演しないと新国レベルに達せずに、今や名前だけでは高額チケットが売れない時代に来ていると思います。もっとも新国の公演は主役級を外国人歌手に頼ってのことではありますが。有名どころのオペラハウスが引っ越し公演すると舞台装置の移動・演奏家の移動などが大変なので地方公演が行える状況にはありません。そうした状況下においては「ウィーンの森バーデン市オペラハウス」の公演は意味があたっと思いますが、ロシア・東欧のオペラハウスが同じような活動を定着させているので「ウィーンの森バーデン市オペラハウス」の役割は終わったのかもしれません。更に敢えて言うと日本の観客が聞きたい演目はプッチーニ、ヴェルディ作曲のイタリア語オペラが中心です。モーツァルトにしても主なオペラはイタリア語です。そうした活動を継続するのであれば「イタリア」で音楽家を集める方が安上がりのはずであり、ウィーンで器楽奏者を集めるのは分かりますが、オペラ声楽家はイタリアで集める方が余程楽だと思います。
そういう観点からすると「イタリアナポリターナ楽団」が日本で人気を博している状況には、同様な活動を「オペラ」に拡大するという方向性が有望な市場としてあり得ると思います。ローマ、フィレンツェなどの観光都市では毎夜、小さなオペラアリアコンサートがあり、簡易な舞台のオペラ公演も行われています。観光客がオペラを楽しむためには必ずしも有名なオペラハウスに行く必要はないのです。人気のあるオペラを敢えてイタリア人以外で聞く必要はありません。「イタリアナポリターナ楽団」の声楽家は音楽学校でしっかり声楽を習った歌手なので、カンツォーネと同じくらいオペラアリアは得意でしょう。オペラ全曲ではなく、オペラの一場面抜粋のような形で公演は出来るはずです。カンツォーネコンサートでは日本語字幕はありませんが、オペラの抜粋程度なら字幕も必要ないと思います。そのような日常に近い形のオペラ鑑賞はオペラファンの裾野拡大に役立つと思います。
04月15日(水)
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