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Kenの日記
by Ken
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■イエメン紛争
アラビア半島最南部のイエメンでは反政府武装組織「フーシ派(シーア派)」が首都サヌアを含むイエメン西部地域を陥れました。これに対し隣国のサウジアラビアがフーシ派軍事拠点の空爆を開始して、地上軍を進行させる準備をしているようです。サウジアラビアとしてはイエメンの多数派のスンニー派政権の存立を確保しようとする意図の作戦のようです。スンニー派が多数を占めるサウジアラビアはシーア派の中東の有力国「イラン」の動向に非常に神経を使っているようです。
そのイランは過激派テロ集団「ISIS」(スンニー寄りの原理主義)との戦いにおける連帯もあって、今月末までに合意を目指すアメリカ・欧州との「核開発交渉」においてはアメリカはイラン寄りの立場に立っているように思えます。少なくともイスラエルのような無茶苦茶を言っても仕方がないですから。アメリカにはイランとの妥協する姿勢が見受けられます。こうなると「イラン」の武力を敵視する「サウジアラビア」「イスラエル」(両方ともアメリカの友好国)は面白くありません。
そのサウジアラビアは今年1月に前国王が亡くなり異母弟の皇太子が国王に即位しました。一夫多妻制のイスラム国では異母兄弟が沢山いますから後継者選びは大変だと思います。内政が混乱する国には「ISIS」の過激テロ組織が浸透していくという事だけは確かなことですから、サウジアラビアには安定した政権が続いて欲しいと思います。
中東には役者が出揃った感じがします。イスラム教シーア派、イスラム教スンニー派、ISIS(過激派テロ組織)、トルコ(世俗国家)、クルド人武装集団(トルコの少数民族だがISISに対抗)、イスラエル(ユダヤ教国家)、そしてアメリカ。それぞれが合従連衡しています。これほど縺れた状況も歴史上例がないのではないかと思われます。
03月26日(木)
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