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Kenの日記
by Ken
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■小学生チェリスト
18日火曜日BSジャパンで小学生チェリスト「北村陽」さんの演奏を放送していました。演奏曲目はハイドンの「チェロ協奏曲第1番」で伴奏は藤岡幸夫指揮の関西フィルでした。何気なくチャンネルを回していたら偶然に出くわした珍しいクラシック音楽の番組。ハイドンのチェロ協奏曲であることは直ぐに分かりましたが、驚いたことは演奏しているのは小さな男の子でした。

この少年は10歳(2004年生まれ)の「北村陽」さんだといことが後で分かりました。彼の演奏を音だけ聞いていたら「大人のプロ」が弾いているとしか思えないでしょう。別の部屋でパソコンに向かっていた妻に「誰が弾いていると思う?」と難しい問いを発してしまいました。画面を見た妻も驚いていました。

「北村陽」さんは4歳からチェロを習ってきたようで、左手はの指は見事に「チェロ向き」な指になっています。音程が正確で早いパッセージも難なく押さえてしまいますが、一番感心したのは「トリル」の速さです。本当に見事なトリルで指の強さが現れていました。「ボーイング」に何の不便さも感じられないことは驚きです。大人と比べて腕の長さは大分違うと思いますが見事なボーイングで、弓を一杯に長く使って力強く芯のある音を奏でていました。

「北村陽」さんの魅力はその演奏だけにとどまらずその表情にもあると思いました。伴奏の「藤岡幸夫&関西フィル」がテレビ出演で緊張したせいか固い表情で演奏していることと対照的に、「北村陽」さんは音楽が楽しくてしかたがないというような嬉しそうな表情で弾ききりました。技術的に難しい場所でもあくまでも「音楽を奏でる顔」です。曲全体を全体として掴み、かつ細部も丁寧に演奏されていたと思います。

このような少年の演奏に出会うのは嘗て仙台のコンクールで聞いた「ランラン」以来です。記録によると当時ランランは13歳で圧倒的な素晴らしい演奏でコンクールに優勝しました。彼の演奏を素晴らしいものとしたのは彼の技術だけではなく、純粋に「音楽を楽しむ」態度が伴奏者の共感・応援を得た結果だったと思っています。ランランは今でも演奏が楽しくて仕方ないという表情で演奏し続けています。「北村陽」さんもこれからずっと楽しそうな表情で音楽演奏を続けていってほしいと思います。そして周りを「楽しさ」に引き込むような笑顔を忘れないで欲しいと思いました。
11月19日(水)
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