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Kenの日記
by Ken
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■日中首脳会談(その2)
昨日北京で行われた「日中首脳会談」ですが日本のマスコミは総じて「歓迎ムード」「良くやったムード」で迎えました。金曜日に発表された日中政府間合意4項目にはあまり触れられていません。サンケイ新聞(ネット)は「会談実現の舞台裏、見送りも構わない…強気の日本側に中国側が折れた」と言う見出しまで付けて今回の日本政府の戦略を持ち上げました。しかし今回の日中首脳会談は「雪解けの始まり」であり大きな成果は無く、世界中に却って「日中関係の冷たい現実」をアピールしたものになったようです。
ニューヨークタイムスは「安倍・習会談は通常の首脳どうし会見の半分程度の25分で切り上げられた」「首脳同士が写真に写る場合にはそれぞれの国旗をバックに撮影されるが日中間にはそれが無かった」「習近平主席は終始冷たい表情であった」などの細かいポイントを指摘して今回の首脳会談の特徴・難しさを伝えていました。
中国としては「(尖閣に関して)日中間には領土紛争は存在しない」という日本政府の見解を撤回させ、「(何らかの)問題の存在を確認した」ことを双方が確認することが首脳会談実現の最低条件でした。「25分会談、記念写真バックの国旗無し」はすれすれで最低条件を漸くクリアした日本に対して提供できる限界だったのだと思います。会談で阿倍首相の靖国参拝には触れませんでしたが、もし阿倍首相が今後靖国に参拝しようものなら再び「首脳会談凍結」となるような雰囲気です。
今は11月ですから後二か月で終戦70周年目の2015年になります。阿倍首相が靖国参拝などせずに逆に村山談話を踏襲した新たなメッセージを中国に発信しなければ日中関係は現状のままのような気がします。「政府間合意4項目」に合意するならなぜもっと早くできなかったでのしょうか。安倍首相が覚悟して決断すればできたことです。この間に中国・韓国は「日本叩き」を大分進めてしまいました。大事なタイミングを失った感じです。
私は中国の「上海・北京・大連・中山」を旅行しましたがまだまだ行ってみたい場所が中国には沢山あります。政府間の関係と国民同士の関係は違いますが、国民同士の交流の度合いは政府間関係の温度で随分変わります。本来日本から多くの観光客が中国に行き、中国からも多くのお客さんを呼んで交流を拡大できたはずなのに、阿倍首相(日本政府)の対応の遅れで大分「拗れて」しまいました。こうなってしまう双方冷えてしまった関係を解くのに時間が掛かってしまいます。
11月11日(火)
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