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Kenの日記
by Ken
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■ヴァルトビューネコンサート2014
NHKBSプレミアムの放送を録画しておいた「ベルリンフィル・ヴァルトビューネコンサート」を聞きました。指揮は久しぶりの「グスタフ・ドゥダメル」です。曲目を確認せずに録画していたのでコンサートの最初から少し緊張感を持って聞きました。

演奏曲目:
チャイコフスキー: 幻想序曲『テンペスト』
チャイコフスキー: 幻想序曲『ロメオとジュリエット』
ブラームス: 交響曲第1番

「テンペスト」と「ロメ・ジュリ」が並んだので、メインは「チャイコフスキー」かなと想像しながら聞きましたが、ブラームスの一番でした。テンペスト、ロメ・ジュリともドゥダメルらしくロマンチックな表現が前面に出て、非常に水準の高い演奏だったので、正直言ってどのようなブラームスになるのか期待と不安を併せ持ちながらメインを聞き始めました。

結論から言うと「ブラームスの一番の交響曲」は「期待はずれ」でした。ドゥダメルはブラームスを流麗に聞かせようとしたのかもしれませんが、非常に中途半端で個性に乏しい演奏となりました。ドゥダメルは得意・不得意があるように思えます。このような状況では一流楽団の常任は難しいのではないかと思わせました。想像ですが今回のコンサートのためのリハーサルの時間はチャイコフスキーの2曲が方に多く割り当てられたのではないかしら。ブラームスはベルリンフィルなら指揮者無しでも演奏できるレパートリーでしょうから、最初から一定レベルの演奏でやり過そうという作戦があったのかもしれません。

ベルリンフィルの演奏者達もチャイコフスキーでは「生き生き」と「嬉しそうに」演奏表現していたのが、ブラームスでは音符を再現するだけに留まって、「ドゥダメル」からインスピレーションを受け取っているという雰囲気は殆どありませんでした。更にカメラワークについてもチャイコフスキーでは女性奏者をアップにする時間が多かったのに、ブラームスでは無意味な映像が多かった気がします。

このような状況だとドイツ音楽界では、「個性」だけは並外れて激しい「ティーレマン」が台頭しそうです。ラトルの後のベルリンフィル常任争いは混沌としてきました。
08月19日(火)
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