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Kenの日記
by Ken
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■サイトウ・キネン・フェティヴァルが名称変更とのこと
「サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)」が来年から「セイジ・オザワ・フェスティバル」に名称が変わることになったそうです。来年小沢征爾さんが80歳になることからそういう動きになったようですが、残念な思いを禁じ得ません。個人的に小沢征爾さんの演奏は好きではありませんが、世界的に有名であることは否定するものではありません。しかしだからといって生前に「名前を冠する」行為を受け入れてほしくはなかったです。

チェリストで音楽教育家の「斎藤秀雄」は沢山の優秀な音楽家を育てました。もちろん指揮者小沢征爾さんもそのひとりですが、現在の日本の弦楽器奏者が世界的に活躍できている背景としては「斎藤秀雄」の「スズキメソード」の存在が非常に大きいと思います。師「斎藤秀雄」が亡くなってから大分経って、弟子達が世界的に活躍しはじめ、ゆかりのある音楽家が集まって同窓会的に開いていたのが「SKF」です。それが何時の間にか「小沢征爾」を聞く音楽会に変質してきたのだと思います。病気を克服して恒例ながら第一線に復帰した小沢征爾は周囲からの勧めを受け入れたようです。しかし小沢征爾さんには峻拒して欲しかったです。亡くなってから、あるいは病気等で引退してから惜しまれて名前を貸す程度にしておくことが奥ゆかしい行為だと思います。

80歳を超えた小沢征爾さんの指揮は相変わらず演奏家と聴衆に「緊張」を強います。我が家にはSKFの音盤として初期の「ブラームス4番」が唯一ありますが、何回も聞く気持ちにならない迷演です。その後も多少SKFの演奏を聴いてきましたが遂にファンにはなれませんでした。

阪神大震災直後に「ロストロポーヴィッチ」の仲介で小沢征爾さんはNHK交響楽団との再演を果たしましたが、その後不仲が解消したという話は聞こえてきません。斎藤秀雄の弟子の「徳永次男」はNHK交響楽団のコンマスを長く務めNHK交響楽団の黄金時代(勝手に解釈しています)を築きました。その音楽スタイルは小沢征爾と正反対で聴衆に「安らかさ」「心地よさ」を与えてくれる非常に貴重な音楽家だと思っています。80歳を超えた小沢征爾のはそういうような音楽を演奏して欲しいと思うのですが。

08月04日(月)
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