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Kenの日記
by Ken
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■安倍首相の集団的自衛権
集団的自衛権行使に関して閣議決定で憲法解釈を変更して、次の国会でそれに必要な法案を成立させようとする動きが始まりました。阿倍首相は1日夜に国民に向けて10分間ほどその閣議決定に関して説明し国民の理解を求めました。安倍首相のお話は非常に用意周到で自信に満ちていました。国会は自公多数ですから法案成立は時間の問題になってきます。
今回の集団的自衛権の問題を私なりに解釈すると、個別的自衛権が「日本国領土・領海の防衛に限られていたもの」とすれば、集団的自衛権は「外国あるいは公海でのPKO活動・邦人保護活動、あるいは友好国への攻撃に対し反撃の武器使用を許可するもの」であるとらえられます。行使推進派の視点は「自衛隊が攻撃力(反撃力)を持つことによって「抑止力」が増して実際の活動(自衛隊のPKO活動、あるいはNGO活動)より安全になる」とするものです。更に友軍(米国)からのこれまでより感謝される環境を作り出すことができるという論旨はその通りだと思います。
しかし、過去の不幸な「日韓関係・日中関係」を思い出してみて「外国での武力行使」がいかに危険で、際限なく紛争拡大に恕リがっていったものか再確認しておく必要があります。日本(列島)の安全確保において「朝鮮半島の状況」が「最も重要」であることは昔も今も変わりません。「朝鮮半島に存する国家」が中国になびくと中国と戦争を始め、ロシアと結べばロシアと争いました。そして朝鮮半島情勢への不安が抑えられなくなって朝鮮を「併合」し、次に「その併合した朝鮮の安全保障」のために「満州」に進出し、果てには再び中国との戦争を始めましたのでした。
今回、「集団的自衛権行使」の問題が、そうした過去の反省をキチンと行い、つまり当時の間違った判断をした自分達の祖先(せいぜい3代・4代前ですが)の間違いを真摯に認めて、周辺国の理解を得ながら進めるという手続きを踏んでいないことに非常に危険だと思います。
阿倍首相が決然と理路整然と説明すればするほど、例えば「他国との紛争は平和的に国際法に基づいて解決していく」と強調すればするほど、それが形だけで真心の無いもののように聞こえてくるのです。靖国参拝、尖閣国有化問題での中国との対応がその証拠です。
阿倍首相のシンガポールでの演説(5月30日)を読んでみると、どう考えても首相がそのことをキチンと理解しているとは思えません。非常に重要なので再び官邸ホームページを引用しておきます。安倍首相はアジアの指導者達を前にして以下のように決然と訴えたのでした。
「自由と人権を愛し、法と秩序を重んじて、戦争を憎み、ひたぶるに、ただひたぶるに平和を追求する一本の道を、日本は一度としてぶれることなく、何世代にもわたって歩んできました。これからの、幾世代、変わらず歩んでいきます。」
07月01日(火)
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