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Kenの日記
by Ken
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■オバマ大統領日本訪問
国賓として来日したアメリカオバマ大統領は予定の日程を終えて次の訪問国の韓国に向けて日本を出発しました。オバマ来日の公式行事と並行する形でずっと続けられていたTPP日米二国間交渉は結局妥結せずに継続協議となりました。今回のオバマ大統領の来日は安倍首相にとっての1年3ヶ月の政権運営に対するアメリカからの通知表のような感じになりました。その意味で日本には重大な意味があってもオバマ大統領にとっては殆どプラス評価の無いものに終わったのではないでしょうか。シリア問題・ウクライナ問題で苦しい立場にあるオバマ大統領は既に「レイムダック」の兆候がでてきているようにも見えます。
日本はというと、尖閣問題、集団的自衛権に関して「タカ派」の阿倍首相の姿勢に関して大統領からお墨付きが貰えたようなもので与党内タカ派は勢いを得ることでしょう。集団的自衛権問題で懸念されるのは、本来憲法の問題あるいは国家の基本姿勢の問題であるにも関わらず、その議論よりアメリカの安保政策との絡みで語られようとしている点です。また尖閣問題についてオバマ大統領は安倍首相の強い要請を受け入れたのでしょうが、阿倍首相に対して中国を刺激するような行動を慎み、日中関係の改善を要求したことは「重く」受け止めるべきだと思います。また北朝鮮拉致被害者家族と面会することができたのも阿倍政権にとっては非常にプラスであったと思います。
これら安倍政権の政治姿勢に対しる評価とは別に「TPP交渉」は最後まで解決しませんでした。アメリカは牛肉・豚肉の関税容認(税率の問題へ)まで譲歩したようですが、甘利大臣に許されている譲歩条件は非常に厳しいものであったようです。「拉致被害者家族面会」「尖閣問題へのコメント」等でオバマ大統領は相当気を使ったのですが、そうした事情を斟酌することなく阿倍首相が妥協しなかったということでしょうか。日本の首相としては非常に稀な対応だったと思います。
但しこれで今回の大統領アジア歴訪の旅は日本にとって大成功であったと結論付けるのはまだ早いと思われます。TPPに関しては「より一層厳しい交渉が待っている」と覚悟すべきでしょう。なぜなら大統領が日本に出向いて首相を持ち上げるような大リップサービスをしたのですから。そして今日午後到着した韓国では早速厳しい発言がなされました。それは大統領の口から従軍慰安婦問題での踏み込んだ発言がなされたことです。この発言には日本政府もさぞ驚いたことでしょう。「TPP」と並ぶ難しい宿題をだされたような感じです。
04月25日(金)
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