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Kenの日記
by Ken
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■パリ・エッフェル塔コンサート
2013年7月14日、パリのシャン・ド・マルス公園広場で行われたエッフェル塔コンサートの模様をNHKBSで見ました。このコンサートは「フランス革命記念日」恒例の「花火大会」に先立って開催されるように企画されたもので2013年が初めて開催されたようです。イギリスBBCの「プロムスコンサート」にに対抗して、「フランス放送協会」が名物コンサートに育てて行きたいと考えているのではではないでしょうか。革命記念日にエッフェル塔をバックに行われるコンサートならば国際的にも人気になりそうです。今回演奏された曲目はフランスあるいはパリに因んだものが選ばれたようです。
テノールの「ヴィットリオ・グリゴーロ」とソプラノの「ソーニャ・ヨンチェヴァ 」複数曲歌い、その他の歌手は1曲ずつしか出番がなく、ヴァイオリンのカプソンとピアノのラン・ランも短め曲での出演でした。出演者としては主役級の「アラーニャ」たるや、VTRでアンコールのフランス国家だけという、ちょっと考えられないコンサートの中身でした。
一方で伴奏を勤めた常任指揮者ダニエル・ガッティとフランス国立管弦楽のコギミ良い演奏には非常に好感をもてました。ハンガリー行進曲、運命の力序曲を始めオペラアリアの伴奏は総じて面白く聞かせてくれて、フランスが木管楽器王国であることを示す音がしていました。ガッティとオケの相性は非常に良いようです。前任が「マズア」だっただけに伸び伸びとした演奏ができていると思いました。
出番の多かった「ヴィットリオ・グリゴーロ」ですが、「役」に没入して大熱演なのですが、如何せん「声」が出ていない。イタリア出身(トスカーナ)なのにベルカントではないのです。ネットでは「パヴァロッティの再来」「ヴィラゾンの後継者」などと持ち上げられていますが、その片鱗を感じることはできませんでした。それに対してソプラノの「ソーニャ・ヨンチェヴァ 」はなかなかの器だと思いました。ネットでは今年5月のウィーン国立歌劇場の「ファウスト」でネトレプコの代役(ネトレプコが自分に合わないとして降りたらしい」を務めることに決定したと報じられています。声といい容姿といいなかなかの注目株です。ぜひとも「体重」管理を徹底してほしいところです。(ネトレプコ、ダムラウのようにはなって欲しくないです)
このコンサートを聴いて改めて「パリ」が文化の集積地であったということを実感させられました。フランスの生んだ作曲家達は多くの有名な曲を残していますし、「ラ・ボエーム」「椿姫」などフランス・パリを舞台にしたオペラは沢山あって、そこには嘗てのパリの雰囲気がタップリと表現されています。世界文化の中心地パリにおいて華やかなコンサートが開かれるとまた観光ネタが増えそうです。そして3大テナーに継ぐ名声を誇るテナーの「アラーニャ」が思いを込めて「フランス国家」を歌うという情景は非常に印象的ではありました。「アラーニャ」は今年(2014年)のエッフェル塔コンサートには「生」で出演し、アリアも披露することになるででしょう。今年のコンサートは非常に楽しみです。
演目をNHKのホームページからコピペしておきます。
1.劇的物語「ファウストのごう罰」から ハンガリー行進曲 (ベルリオーズ)
2.歌劇「カルメン」から ハバネラ「恋は野の鳥」 (ビゼー)
3.歌劇「ボエーム」から 冷たい手を (プッチーニ)
4.歌劇「ボエーム」から さようなら (プッチーニ)
5.歌劇「タイス」から タイスの冥想曲 (マスネ)
6.歌劇「カルメン」前奏曲 (ビゼー)
7.歌劇「カルメン」から 花の歌「おまえが投げたこの花は」 (ビゼー)
8.歌劇「カルメン」から 闘牛士の歌「諸君の乾杯を喜んで受けよう」 (ビゼー)
9.バラ色の人生 (ルイギ)
10.歌劇「運命の力」序曲 (ヴェルディ)
11.ピアノ協奏曲 ト長調から 第3楽章 (ラヴェル)
12.歌劇「ナブッコ」から ヘブライの捕虜たちの合唱行けわが思いよ金色の翼に乗って」 (ヴェルディ)
13.歌劇「椿姫」から パリを離れて (ヴェルディ)
14.枯葉 (コズマ)
15.歌劇「椿姫」から乾杯の歌「友よ、さあ飲みあかそう」 (ヴェルディ)
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04月18日(金)
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