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Kenの日記
by Ken
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■ドミンゴ・ローレライ・コンサート
昨年2013年6月30日にドイツ南部の「ローレライ野外劇場」で行われたプラシド・ドミンゴのコンサートです。ローレライ野外劇場はライン河で観光名所になっている「ローレライ岩山」近くに作られた劇場だそうで夏の避暑地としても有名な場所のようです。地図で見る限り交通の便は悪そうです。6月末とは言いながら観客は結構厚着をしているので夜の冷え込みは結構きついのだと思われます。
プラシド・ドミンゴのローレライ野外劇場でのコンサートはネットで見る限り今回が初めてのようですが、73歳になったとは言え、パヴァロッティ亡きテノール界で相変わらず抜きん出た存在のドミンゴですから、ファンには嬉しいコンサートでしょう。出演は「プラシド・ドミンゴ 」(テノール・バリトン)、 エンジェル・ブルー(ソプラノ)、ミカエラ・エステ(ドイツ生まれでアメリカで教育を受け活躍中1981生まれ)の3人の歌手に、ユージン・コーン指揮のバーデン・バーデン管弦楽団の伴奏でした。因みに合唱は無し。
演目(NHKBSホームページからコピペです。)
1.楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲 (ワーグナー)
2.楽劇「ワルキューレ」から ジークムントの愛の歌「冬の嵐は過ぎ去り」 (ワーグナー)
3.歌劇「タンホイザー」から おごそかなこの広間よ (ワーグナー)
4.歌劇「タンホイザー」から 優しい夕べの星よ (ワーグナー)
5.歌劇「椿姫」第2幕から二重唱 (ヴェルディ)
6.歌劇「ローレライ」序曲 (ブルッフ)
7.喜歌劇「ほほえみの国」から 君はわが心のすべて (レハール)
8.喜歌劇「ジュディッタ」から 私の唇にあなたは熱いキスをした (レハール)
9.喜歌劇「メリー・ウィドー」から 唇は黙っていても、バイオリンはささやく (レハール)
10.喜歌劇「軽騎兵」序曲 (スッペ)
11.喜歌劇「こうもり」から 一週間もただひとりで (ヨハン・シュトラウス)
12.サルスエラ「ユダヤの子」から スペインの歌 (ルーナ)
13.サルスエラ「ルイサ・フェルナンダ」からわが故郷エストレマドゥーラに(モレーノ・トローバ)
アンコール曲
14.「マイ・フェア・レディ」から 踊り明かそう (ロウ)
15.「アニーよ銃をとれ」から あなたにできることなら (バーリン)
16.ベサメ・ムーチョ (ヴェラスケス)
まずコンサート全体の感想としてかなり予算を絞ったコンサートだなと感じました。オーケストラの実力はかなり怪しいものだと思いました。指揮者の方もあまり無理ができなかったのか・実力がないのか分からない位評価に苦しむ伴奏でした。二人のゲスト歌手ですが「エンジェル・ブルー」さんのソプラノには感心しましたが、もう一人の「ミカエラ・エステ」さんはドミンゴの弟子筋のようで、声はオペラ界第一線で活躍するには物足りないものがありました。また合唱団がいないというのが演目を限定的なものしていたと思います。
とは言ってもドミンゴをタップリと聞きたい人はそれなりに満足したのではないでしょうか。テノールドミンゴに加えてバリトンドミンゴを楽しむことができました。でも「椿姫」の「お父さん」役などはもう少し大人しい表現が好まれるのではないでしょうか。ドミンゴの好きなようにさせるなら一曲ぐらいオケを振っても良かったと思います。73歳のドミンゴの声はまだまだ立派なものですが今後もこのような(ドミンゴ中心の)コンサートで観客を呼ぶことができるかどうか疑問です。ホロビッツの来日コンサートのようにならなければ良いがと思います。できれば若手第一線の歌手(テナー・バリトンを含め)に歌ってもらい、ドミンゴは指揮したり、脇役で歌ったりする程度で良いのではないでしょうか。「スリーテナーズ」は「幕引き」が立派でした。
04月16日(水)
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