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Kenの日記
by Ken
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■中国の発展
WTOが昨日発表した2013年の統計によると、輸入と輸出を合計した貿易総額で中国が米国を抜いて世界のトップになったとのことです。中国の貿易総額は4兆1600億ドル(輸出2兆2100億ドル+輸入1兆9500億ドル)、2位のアメリカは3兆9100億ドル(輸出1兆6790億ドル+輸入2兆3310億ドル)。3位はドイツで総額2兆6400億ドル、4位が日本で1兆5480億ドルであったそうです。中国は輸出が8%輸入が7%のという高い伸び率で拡大しているのでまだまだ貿易総額は拡大して行きそうです。

一方で香港のSCMP新聞は4月15日付のインターネット紙面で「胡耀邦没後25年」記事をトップで掲載しました。民主化を目指して政治改革を提案しようとした「胡耀邦」は中国政府中枢から追放されて、その後心臓病を患って1989年4月15日に亡くなったのだそうです。民主化を要求する学生等が「胡耀邦」の死を悼んで天安門に繰り出して当局への抗議し、時の搶ャ平政権はこれを握りつぶしたのでした。これが1989年6月4日の天安門事件です。そしてその後の共産党首脳部は民主化の動きを封じ込められ、改革・解放路線だけが進められたのでした。

1978年搶ャ平が政権中枢に返り咲いて「改革・開放路線」に舵を切ったのですが、その10年後の「天安門事件」で民主化の動きを封殺し、その30年後の2008年には金を潤沢に使った「北京オリンピック」を開催し、翌々年2010年には「上海万博」を開催しました。そして2013年の中国経済は遂に貿易総額でアメリカを超える水準まで達しました。中国の経済目標によると2020年には「全面的な小康社会(ゆとりある理想的生活社会)」を実現するとしています。

この経済発展の一方で現在の中国には、貧富の差の急拡大、汚職の蔓延、大気汚染の深刻化、民族問題の先鋭化などの深刻な問題が表面化しました。このまま経済発展を優先させると社会が歪んでしまうのではないかと危惧されます。改革・開放路線の初期にに民主化に舵を切っていたならばこれだけの発展・拡大がなし得たのか評価は難しいですが、どこかで「仕組み」を変える必要があると思います。胡耀邦は早くからその危険性に気づき声を上げたのだと思います。

民主化運動を押さえ込んだ搶ャ平、次の指導者の江沢民、更に次の胡錦濤は民主化の動きを封じ込めてきました。そして昨年登場した習近平も最初こそ期待されましたが大胆な改革を避けているように見えます。今年の6月4日の「天安門事件25周年」には何らかの動きがあるのでしょうか。
04月15日(火)
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