ID:85567
Kenの日記
by Ken
[99182hit]
■第一次世界大戦直前の英独関係か
南華早報(SCMP:South China Morning Post)で鋭い記事があったので記録しておきます。それは安倍首相がダボスの記者会見で口にした「第一次世界大戦直前の英独関係」の関することです。安倍首相は否定していますが本心では中国を台頭するドイツに擬えていることは明白です。多くの日本人中国のことをそのように考えていると思います。
そうした一般的な判断を前提に、SCMPは中国・日本のどちらが「ドイツ」なのかに関して一石を投じます。つまり安倍総理の「特定秘密保持法、集団的自衛権に関する憲法判断変更、靖国参拝」という一連の行動を見るにつけ、戦後初めて軍備拡張に踏み出した「日本」もドイツに擬えることは十分可能であるとしています。特定秘密保持法・集団的自衛権はともかく「靖国参拝」については同盟国アメリカも眉を顰めているということを付け加えることを忘れていません。しかしSCMPは第二次世界大戦直前の英独の指導者とは違って、現在の関係国の指導者達は事態を収拾することができるだろうとの認識を示しています(そんな能力があるのなら教えてよと投書で突っ込まれていますが)。
但し当時と違う気掛かりな事情を指摘していて心配になります。それは、安倍首相、習主席、朴大統領、アキノ大統領(安倍首相の味方として最近登場)等関連国の指導者が嘗ての指導者の二世・三世であるということです。SCMPは二世・三世指導者に共通する特徴として2点あげています。
@最高権力に上り詰めることへの強い願望(プライドとコンプレックス)
A自国の威信を守ることに強く執着(保守主義)
そしてこの二世・三世指導者の共通性向は民族志向の強い圧力に容易に載せられてしまう傾向があるとしています。このことは安倍・習・朴の3首脳の行動様式に共通していると思います。そう考えるとアメリカがブッシュでなくてオバマで良かったと思います。上記の指導者達には二世三世政治家の弱点を乗り越えて国際協調の新たな枠組みを構築し歴史に残る指導者になって欲しいと思います。
更に中国に対しては、アメリカと並んであるいはアメリカを追い抜いて世界のスーパーパワーになろうとするならば外交において「我慢する大人の態度」を学ばなければならないと指摘しています。アメリカがいがみ合う日中韓の間にあって我慢しながら非常に慎重に立ち回っていることを評価しているのだと思います。
これに付随してSCMPは日本について痛いところを突いています。「日本はこれまで世界のスーパーパワーになろうなんて考えたことはない。つまり隣国との関係で大人の外交関係を確立しようなどとは考えないから、少なくとも近代において領土紛争を平和的に解決したことはない」と指摘しています。
日本は聖徳太子の時代から大陸の東端にある島国として「島国根性」を保っていて、世界情勢における主役を演じたことはないし、これからも無いだろうとしています。しかし独立独歩、喧嘩腰あるいは子供っぽい外交で周囲と平穏にやっていけるはずはありません。それこそ日本が歴史から学ぶべきものだと思います。
02月07日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る