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Kenの日記
by Ken
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■「安重根」顕彰碑をめぐって
「安重根」を顕彰する石碑を事件現場の中国・ハルビン駅に建設しようという韓国と、韓国及びそれを支持する中国を牽制する日本政府官房長官の論駁が火花を散らせています。日本政府としては「安重根」は伊藤博文を殺害した「犯罪者」であるいう立場をとっているので、その犯罪者を顕彰しようという行為には苦言を呈するのは仕方がないことだと思います。
ただし伊藤博文が生きていたら「韓国併合が無かっただろう」とか「伊藤博文が韓国の理解者であったのに殺害するのは筋違いだ」とか、「日本占領時代の開発で韓国のインフラが整備された」とか言うような訴え方は韓国の人々には受け入れられないだろうと思われます。
「韓国の人々は自らの国の独立を自らの手で勝ち取ろうと努力した」と認識しようという韓国の人々の気持ちは理解するべきでしょう。どこの国においても「その国の成り立ち」には英雄伝説が欲しいものです。初代韓国総監に反旗を翻した「安重根」が数少ない英雄候補であることは間違いことです。
しかし現在の韓国を考えると、清朝からの自立、日本帝国主義からの自立、北朝鮮侵入者撃退・中国北挑戦支援軍撃退によって民主主義国家「大韓民国」が成立したとことをしっかり認識すべきだと思います。その歴史を考えると、第二次世界大戦では日本軍として戦い朝鮮戦争の際には韓国軍人として活躍した人は沢山いるはずです。日本帝国主義の犠牲者の象徴たる「閔妃」と彼女を打倒しようとして日本と手を組んだ「金玉均」のこともあります。
韓国の歴史はこのような不幸な矛盾を抱えたもので、単純に善悪を決め付けることが困難なものであると思います。その矛盾は日本を悪者にするだけでは決して解決するものではありません。韓国の人達が歴史を客観的に冷静に見つめ過去の矛盾を乗り越えて、外国への範となるような将来に向かけた大人の態度を示すこと以外に、過去を乗り越える方法はなのだろうと思われます。
韓国が「独立国家」となることについては昔から戦争の原因となってきました。日本国土防衛のためには「韓国独立確保」が必要だとの認識から日清戦争・日露戦争が戦われました。韓国(北朝鮮も)はその地理的条件から清朝中国とロシアとは友好関係を結んで、新興国家の日本に対してはずっと不信感を抱いてきたのだと思います。韓国の人々の地勢認識は中国・ロシアが強ければ強いほどそれを重視して日本を敵視するものであるようです。
しかし、今や核武装専制国家の北朝鮮があり、大国に変貌したものの民主主義国家と程遠い中国が存在感を増す一方です。これに対する自由主義・民主主義のチャンピオンのアメリカは韓国の後ろ盾であり、そのアメリカは東アジアのキーパートナーとして日本を認めるようになっているのです。韓国が日本の集団的自衛権に反対しても、現在の地政学的現実では西側同盟国は日本を支持することとなっています。
100余前、韓国が中国と接近して日清戦争が、韓国がロシアと接近して日露戦争が勃発しました。その頃の日本は様々な理由を抱えていましたが、詰まるところ、他国への傲慢さとか怨念だとか怒りの感情だとか非常に未熟なな国民感情を抑えることができなかったのだと思います。そうした部分は100年経ってもあまり変わっていないような気がして心配です。
11月20日(水)
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