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Kenの日記
by Ken
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■プーリア州のワイン
偶然にもイタリア南部プーリア州のワインを連続して飲んだので記録しておきます。プーリア州はイタリアの「踵」の部分にあります。イタリア南部で温暖で恵まれたなだらかな土地のため農業が盛んで葡萄栽培量も非常に多いとのこと。ワイン生産量をイタリアのトップクラスだそうです。しかしイタリア北部に世界的に有名なブランドワインがあることに対比すると、南部のほかの州と同様に地味な存在でした。最近は南部集のワインを見かけることが多くなりました。

プーリア州のIGTワインです。IGTはフランスでいう「ヴァン・ド・ペイ(Vin de pays)」に相当するらしい。IGTはその地域の葡萄を85%以上使うことが条件なのだそうです。醸造元の「Valle dell’Asso」社はプーリア州南部のSalento半島(靴の踵の先端近く)にあり,小さいながらもかなり長い歴史をもっているようです。ワイン商標に地元「Salento」を使っています。使用葡萄はプーリア州原産のネグロアローマ(85%)とカベルネ(20%)。ネグロアローマはかなり強い個性があるようでプリミティーヴォと並んでプーリア州の赤ワイン葡萄の代表格らしいです。
この赤ワインは大変口当たりが良く南イタリアらしい優しくて朴訥な感じがしました。この会社の「Lenze」ブランドのワインには他にビアンコとロザートがあります。ビアンコの葡萄は10% Fiano di Puglia 50% Trebbiano 40% Garganega、ロザートは80% Negramaro 20% Montepulcianoということで、イタリア南部の葡萄を組み合わせているようです。

MANNARAというブランドの白ワインです。生産社は「MGM Mondo del vino」というイタリア北部(ピエモンテ)に本社を持つ比較的新しい会社です。この会社はイタリア全土に跨って広大なワインヤードをもって、多くのワインを生産し輸出しているとのことです。
葡萄は100%シャルドネなので買うときに少し違和感を感じました。プーリア州のIGTワインでシャルドネというのは少し輸出を意識しすぎている気がします。世界1の生産量を誇るイタリアワインは、これまでブランドの確立・海外輸出といった面ではフランス・スペイン等に遅れを取ってきたことは否めません。特にイタリア南部のワインは生産量が多いのに品質が安定しないために輸出が進みませんでした。それが最近かなり日本にも出回るようになりました。
その背景には大手のメーカが南部に進出して品質管理を徹底して品質の安定したワインを造るようになったお陰だと思います。一方でイタリア南部独特のワイン文化が後ろに追いやられてはいなかという危惧があります。世界各地で作られている国際品種で有名な「シャルドネ」なら安心して飲めるので輸出に有利だということは分かりますが、その土地の風土にあった伝統的なワインも大切にして欲しいと思います。因みに「Mannara」ブランドには以下のワインが揃っています。
Chardonnay Puglia : Chardonnay 100% (Puglia)
Pinot Grigio : Pinot Grigio 100% (Western Sicily)
Pinot Grigio Ros醇P : Pinot Grigio 100% (North Italy Veneto Region)
Syrah : Syrah 100% (Western Sicily)
Merlot : Merlot 100% (Italy)
Primitivo Salento : Primitivo 100% Apulia (Region - Salento)
Grillo : Grillo 100% (Southern Italy - Western Sicily)
Grillo Pinot Grigio : 70% Grillo 30% Pinot Grigio (Western Sicily)
Nero d'Avola : Nero d’Avola 100% (Southern Italy - Western Sicily)
Syrah Sangiovese : 70% Syrah 30% Sangiovese (Southern Italy - Sicily - Area of Trapani)
Nero d'Avola Sangiovese : 70% NERO D’AVOLA 30% SANGIOVESE (Western Sicily)
09月23日(月)
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