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Kenの日記
by Ken
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■広東料理
中国南部の広東・広西地方は「食は広州にあり」と言われるようにその郷土料理は中華料理の中でも有名です。この連休の「香港・澳門・中山旅行」では広東料理でも比較的親しみのある「飲茶」を楽しんできました。
「中山・珠海」を案内してくれた珠海在住のガイドの「温」さんはから非常に参考となる情報を話していただきました。「温」さん自身は中国北部の黒龍江省出身だそうですが南部の珠海に移り住んで長くなるのだそうです。中国北部出身という広州を客観的に見ることができる人の話なので南部の広州の特徴が浮かび上がります。
まず、「広州人は酒が弱い」のだそうです。温さんが育った中国北部は寒さが厳しくそこに住む人々はとても酒が強いのだ。高粱から作る強い蒸留酒が有名です。その北部の人々に較べて南部の広州の人は酒に弱いそうです。これは遺伝的な体質のようで、酒に弱いからこそ「お茶」文化が高度に発達したといえます。広州の人は酒で歓談する代わりに「茶」を賞味するのです。
また、広州は亜熱帯に属し雨量も多いため、植物・動物の種類が多く豊富です。これが食材の多様性に繋がります。食品市場で目立つものでは果物です。マンゴー・バナナを始め南国の果物が採れるために食後のデザートにも美味しい果物を使ったデザートを食べることができます。また果物の甘さを生かした甘味食品も豊富です。「動物関連」では普通の食材に加えて、犬、猫、ヘビ、蛙等色々食べます。海が近いのでこれに様々な「海産物」が加わります。海産物は乾季の強烈な日光で乾燥させて「うま味」を濃縮させることができます。保存目的もあるでしょうが、香草等と長時間煮込むことによって、消化の良い非常に甘味の凝縮した料理が可能になるのだと思いました。
これらの集大成が「飲茶」だと思います。ウーロン、プーアールどちらも食事にマッチします。粥、腸粉、蒸餃子などの熱い料理に熱いお茶は非常に健康的だと思いました。冷たいビールを注文する必要は全くありません。食前酒の必要がないほど料理は胃に優しく、更に薬味成分を含む「お茶」はそれを助けてくれます。中国北部の50度を越す白酒は北京では美味しかったですが広州では全く必要ありません。
健康のために日本ではかなり野菜を食べていますが旅行中も苦労して野菜を注文しました。市場や町中の八百屋さんではこの時期「菜の花」が旬のようでした。これを高温の湯で「湯がい」て美味しい醤油をかけて食べるのですがこれが素晴らしく美味しいのです。「粥と菜の花と茶」の組み合わせは朝食にぴったりだと思いました。
これから夏を迎える日本では夕食時につい「冷えたビール」を飲んでしまいそうですが、今年はその回数を減らして「お茶」を飲もうと思います。そのために数年前に上海出張の折に買ってきた「餅茶(プーアール)」をさっそく苦労して細かく崩して飲めるように準備しました。
05月15日(水)
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