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Kenの日記
by Ken
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■橋下市長のコメント
橋下大阪市長の「従軍慰安婦」に関するコメントが様々な注目を集めていますが、個人的には橋下氏が指摘したことは当たり前のことで、日本人なら同じように考えるだろうと思われます。全体のトーンは安倍首相の発言をサポートする内容で、自民党高市政調会長の個人的な発言よりずっと安倍首相を助ける役割を果たしていると思います。

しかし、現在の「在日米軍」と「風俗法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)事業」を関連させてしまったことが問題を違う方向に進めてしまった感が否めません。それは「在日米軍」と「風営法」には「本音と建前」があって、どちらも平場で議論できないような「困った裏側」を持っていて、そこをあからさまに指摘されると、例えそれが正しかろうが反論せざるを得ないという「やっかい」なものだからだと思われます。

キリスト教信者が殆どを占める「在日米軍」(本土の政府およびその指令層)は従軍慰安婦のような公娼制度を採用していないことを「誇り」としています。それを裏付けるかのように海外派遣部隊において美味しいレストランや娯楽施設が完備していたり、一時帰省休暇を儲けて建前上は兵士達の「性欲」は「健全」に処理されていることになっています。

この「建前」は現実に順守されてきたかどうかは別にして昔からの米国軍の統一した考え方のようです。つまりキリスト教精神と潤沢な資金に支えられた米国軍隊は、嘗ての貧乏日本軍と同じような従軍慰安婦の存在を認めないし、居住環境を整える代償として兵士に対しては厳しい規律を要求しているのです。米国軍隊はこの「建前」を崩すわけにはいかないのです。

「風営法事業(風俗営業)」にも非常に微妙な裏があります。風営法第二条で「風俗事業、性風俗関連特殊営業」を定義していますが、これは非常にアバウトでどのように考えてもこの定義どおりの営業で終わっているとは思えません。例えば「店舗型性風俗特殊営業」の定義として「浴場業の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」としています。しかし当然ながら自由恋愛の末のSEXは規制の対象ではありえずそこからは風営法の枠から外れます。これは柔軟な社会の知恵であり、どこの国でも多かれ少なかれあるはずで、それによってより酷い犯罪行為・社会の乱れを防いでいるのだと思います。しかしそのことは声高に言うべきものではないと思います。

そうしたある種の「社会の知恵」を建前に固執する米国軍隊にぶつけて見ても受け入れられるはずがありません。キリスト教の「汝姦淫することなかれ」は彼等が護らなければならない大切な規律です。橋下市長が「米国はずるい」といってもそういうしかないのだと思います。

嘗て第二次世界大戦の戦時下において日本を離れて戦った兵士達は最初から「生きて帰国」することはあきらめていたと思います。「国のために死ぬ」ことが頭に叩き込まれていたのでしょうが、本音で愛国心を持っていたかどうかは大変疑問です。武器・弾薬の不足・食料支援物資の欠乏は日本軍が兵士達を消耗品程度と考えざるをえなかった証拠です。そういう場面において「従軍慰安婦」は確かに橋下市長が言うような「必要」なものであったのだと思われます。

しかし当時の米国軍が日本軍と同じ考え方であっととはとうてい思えず、むしろ現代の米国軍と同じで兵士達を大切にし最大限兵士達の危険を減らす努力をするとともに、正義感・愛国心をキチンと植え付けて正義・国のために命をおとすことを厭わない精鋭の兵士として扱っていたと思われるのです。そために戦争で亡くなった兵士達を最大限に讃え感謝するのだと思います。どこかの国の靖国神社みたいな中途半端なことになしていないのだと思います。

やはり本質的な問題は「従軍慰安婦」そのものではなく、そのような仕組みで兵士を慰め、尊い命を粗末にしていた「旧日本軍」の存在そのものだと思います。それに対する冷静な評価・反省が無い限り、歴史は繰り返すかも知れません。
05月14日(火)
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