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Kenの日記
by Ken
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■母の退院
「さいたま市民病院」の母の主治医の先生と母の今後のことを話し合い、病院を退院することに決めてきました。
最初に先生から以下の話を丁寧にしてくださいました。入院初日にも少し話しましたが、非常に誠実な人柄で筋の通った話をしてださったので、こちらも比較的冷静に判断できたと思います。
「母の脱水症状、尿路炎症による発熱は点滴による栄養補給、抗生物質投与によって回復したが、老衰の進行が顕著で経口による栄養摂取を試みたが無理な状況であった。」
「病院での治療は終了となるが、退院後については、経口栄養摂取が難しい場合には栄養摂取の方法としては@太い静脈から栄養剤を点滴する方法、A鼻から直接胃に栄養を送る方法、B「胃瘻」を設置してそこから栄養材を投与する方法があるが、いずれの方法を用いても生命を維持するための栄養をあたえることは出来るが老化を抑えることは出来ない。」
「またどれも自然な形の栄養摂取ではないことから、栄養バランスが崩れて身体の異常を起こす危険性があるし、あるいは栄養剤が気管に逆流して肺炎を起こす危険性は伴う。これらの方法を取らない場合、生命を維持するための栄養・水分の摂取を取らなくなるので自然な形で1〜2週間で寿命を迎えることとなる。」
「本人の苦しみという点でいうと、自然な形で栄養がなくなっていく状態がもっとも自然であり、次第に意識が薄らいでいる時間が長くなり、最後は静かに息を引き取ることとなるはずです。人工的な栄養の投与は延命の効果はあっても、肺炎等による呼吸困難とか、管が付けられていることの不快さとか、本人を苦しませる可能性もあることに留意すべきです。」
私としては母が「痛みとか苦しみが最小になる状態」で最期が迎えられることを最も優先に考えてました。すでに言葉を発することがほとんどなくなり、私達とコミュニケーションが取れなくなっている母なので、最期の時間をできるだけ安らかに過ごすことが出来るように考え、これ以上の人工的な栄養・水分補給を中止することにしました。
「中心静脈」「経鼻」「胃瘻経由」の栄養補給対応については、それなりの設備のある施設でしか対応できませんが、何もしないということになれば、これまでお世話になっていた施設でも対応可能なのです。介護施設の方が私達家族の考えを良く理解してくれて、母の最期の数週間を施設でお世話になることが出来ることとなりました。
11月10日の土曜日の午前中に母は退院することとなりました。病院の先生のお話から母の命が1〜2週間ということなので、土日を一回か二回過ごせることとなります。兄弟・孫達に最期のお別れを言うタイミングなのでその旨を連絡しました。私達夫婦は施設へ歩いて通える場所にいるのでできるだけのことをしたいと考えています。
これまで治療・あるいは施設の決まりの誤飲防止のために食事はかなり限られていました。母が食べられるかどうか分かりませんが、お酒、アイスクリーム、ジュースなどを口に含ませようかと思っています。母は目が悪いですが耳は確かなようなので「音楽、歌」を聞かせようとも思っています。母がどのような反応を示すのか楽しみです。
11月07日(水)
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