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Kenの日記
by Ken
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■母校吹奏楽クラブ演奏会
出身高校吹奏楽班の第40回目定期演奏会が長野市のホクト文化会館で行われました。40回の区切りということでOB・OGに声がかかり演奏会の中の記念イベントとして現役とOB・OGの合同演奏が企画されたのでそれに参加したという訳です。というのも私が高校3年生の時代に第一回演奏会を開催した手前、将来の後輩達に少し責任を感じているからでした。自分達が始めた大変手間のかかる大イベントが40年後にどのように育っているのか興味があったし、最近の現役世代は大変上手になっていて既に我々の時代には「夢」であった「全国大会」を何回も経験しているので最近の演奏レベルを身近に聞いてみたいということもありました。
5月の連休にリハーサルをして後は昨日の午後と今日の午前中のリハーサルで本番を迎えました。様々な感想を持ちましたが、総論から言うと「非常に楽しく合奏に参加させてもらって貴重な時間を過ごさせていただいた」と思っています。100人を超える演奏者のエネルギーは大変なものでステージの上でその中に身を置いていると、他の演奏者との連帯感だとか、指揮者の魔術で演奏者の表現がどんどん引き出されて行く瞬間に立ち会うことができるとか、ステージでしか味わえないような瞬間を何度も実感しました。演奏曲目は「キャンディード序曲」(バーンスタイン)と「春の猟犬」(リード)の二曲でした。久し振りのクラリネット演奏としてはこの程度の曲が迷惑をかけない限界かなと思いました。
「演奏会」を高校生が自主的に運営するイベントという観点からいうと、時代も違うし自分が歳をとったせいもあるのでしょうが、自分達の目指していた演奏会とはかなり様代わりしている印象でした。自分達が高校生の頃はとにかくクラシック音楽に飢えていたし、憧れのクラシック音楽を自分達で演奏するという「精一杯の背伸び」が演奏会の本質だったと思います。従って難しいクラシック編曲物をコンサートのメインに据えたあくまでも音楽中心の催しだったと考えています。
今回の第40回に限らず最近の高校生の演奏会では、そのような純粋音楽追求的な面は少し後退し、それに変わって歌とか振り付けを取り入れた元気で楽しい舞台がメインとなっている感じでした。たぶんそれはネット社会で日本全国、全世界の情報が長野でも瞬時に入手できるし、新幹線のお陰で東京にはいつでも容易に行くことができる時代になっているからだと思います。また吹奏楽部員が私達の頃の男性中心(元々男子校だったので)から、女子中心に変わったのも大きな理由だと思います。そうした傾向の演奏会で大きなホールが満員になり立ち見客が溢れる状況というのは、時代が違うのかな
という感慨が大きいものがありました。
演奏の水準といった面では流石に全国大会に何回も進んできただけあって、現在の高校生バンドの各パートにはかなりの名手が揃っていました。これは正直脱帽です。またタイムスケジュールをしっかり行い密度の濃い練習をしていることにも驚きました。高価な楽器を買い揃えることができる時代になっていて、ネットや便利の交通網のお陰で中央の情報が手軽に入手できるようになったことは大きいと思います。様々な経験が手軽にできる次代になって、学業の傍らで色々なことをハイレベルにこなす。まさにデジタル時代の高校生という感じがしました。
但し個人の演奏水準が高いので全体としての音楽が訴えるものが大きいかというと一概にそうとも言えいところに難しさがあります。プロでもそうですが指揮者の音楽性や指導力によって出てくる音楽は違ってしまいます。ましてや潜在的な力を秘めた高校生では指導者の力量は非常に重要になってきます。全体としてかなり高度なレベルに達しているのは間違いないのですが、奏でられる音楽から奏者全員の喜び・感動が発散されていないような気がしました(少し緊張していたのかな)。
06月03日(日)
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