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Kenの日記
by Ken
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■デセイの椿姫
NHKBSプレミアムで深夜放送されたクラシック番組のエクサン・プロバンス音楽祭2011の「椿姫」を見ました。同じ日に1967年収録のカラヤン&スカラ座のレクイエムも放送されましたが、こちらの方の感想は後日へ回します。
歌劇「椿姫」ヴェルディ作曲
ナタリー・デセイ(ヴィオレッタ)
リュドヴィク・テジエ(父ジェルモン)
チャールズ・カストロノーヴォ(アルフレード)ほか。
(合唱)エストニア・フィルハーモニー室内合唱団
(管弦楽)ロンドン交響楽団
(指揮)ルイ・ラングレ
(演出)ジャン・フランソア・シヴァディエ
フランス、エクサン・プロバンス 大司教館中庭で収録(2011年7月収録)
デセイが見事でした。前から思っていたのですが、小さい身体の割りに意外と骨太でエネルギーがあることを再確認しました。歌を歌うのではなくヴィオレッタを演じていました。ここまで役を演じられる「歌手」というと今のところ「ダムラウ」と双璧ではないでしょうか。全体として配役に恵まれながら奇抜な演出で失敗したザルツブルグよりずっと魅力的でした。
但し「父ジェルモン」のテジエだけは最後まで「?」でした。若手歌手が多い中でデセイと並んで今回の看板的存在ですが、彼が出てくると他の歌手から浮いてしまう感じがしました。オペラへの取り組み方が違うのかしら。何でこうなるのでしょうか。アルフレード役のカストロノーヴァがコントロールされた美声で非常に好演していただけに残念でした。カーテンコールではテジエが大御所のように喝采を浴びていましたが、本当にそうだったのでしょうか?
父ジェルモンは難しい役ですけれど。最初から人間味溢れていては若い二人を引き剥がすことにはならないし、かといってあまり「つっけんどん」だと「なんでヴィオレッタが説得されるのよ」ということになります。この辺の微妙な雰囲気が欲しいところ。テジエにはその微妙さがありませんでした。アルフレードから父に鞍替えしたというドミンゴがどのように歌うのか早く聞いてみたいです。
オーケストラも合唱もしっかりした音楽を作っていました。指揮者のルイ・ラングレーの優れた統率は素晴らしいと思いました。
05月21日(月)
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