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Kenの日記
by Ken
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■図書館へ
さいたま県立図書館で取り寄せをお願いしておいた「本」が届いたとのメールがあったので、昼から行って閲覧してきました。翻訳している「キラーリ・クロッシング」には「シェリー」を始めとして多くの詩が引用されています。作者のスリヤクマランさんはイギリスに留学していた頃にイギリス詩特にシェリーを勉強したようです。「キラーリ・クロッシング」の翻訳の仕上げとして、小説に登場する「詩」の訳文を推敲しようと「詩集」を借りたのでした。
さいたま県立図書館は、浦和・熊谷・久喜の3つの図書館によって構成されています。そして各図書館の収蔵図書は原則として以下のようになっているのです。
浦和図書館 :社会科学、産業
熊谷図書館 :総記、哲学、歴史
久喜図書館 :自然科学、技術、芸術、言語、文学
従って「詩集」は殆ど全てが久喜図書館に収蔵されているので、インターネットで注文して「浦和」に持ってきてもらって閲覧することとなります。シェリー詩集の中で、私が持っている新潮文庫以外の5冊と、ダンテの新曲(煉獄)の6冊を閲覧しました。
キラーリ・クロッシングの作者のスリヤクマランさんはシェリーの詩から以下の詩の一部分を引用しています。
「ひばりに寄せて」
「おじぎ草」
「月」
「ヘラス」から最終のコーラス
そのほかの詩人では次の作品からの引用があります。
「早春」 ワーズワース
「江雪」 柳宗元
「神曲」 ダンテ・・・煉獄編冒頭
「ルバイヤート」ウマルハイヤーム
有名な詩もあれば全く日本語訳のない詩もあります。今回ダンテの「神曲」を始めて手に取る機会がありました。14世紀初頭に書かれた詩集ですがとんでもない作品であることを知りました。ルネサンスの先駆者として聖書とかギリシャ・ローマ文学をふんだんに引用していますから、内容を把握するのは相当な文学的な素養を必要としますね。
「ルバイヤート」も今回の小説翻訳をきっかけに知りました。作者のウマル・ハイヤームは11世紀のペルシャの詩人です。数学でも知られた人物です。彼が活躍した時代はイスラム教が伝わってから月日が経っていなくて、まだ色々な宗教が現実に活躍していたようです。「ルバイヤート」にはゾロアスター教のことも沢山出てきます。文芸が盛んで医学・数学が発達していた11世紀頃のペルシャを想像すると大変面白いです。ギリシャ・ローマの文化を吸収した中東の人々(イスラム出現前は基本的にゾロアスター教)が、イスラム教の影響下で世界的な文化を花開かせたと言えるからです。
08月15日(金)
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