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Kenの日記
by Ken
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■アジアのオケを東京に呼ぶこと
スリランカ交響楽団が日本に招待されて演奏することになったというニュースは本当のようです。演奏会は10月4日、東京オペラシティコンサートホールです。懐かしい人達に会えるのは嬉しいことなのですが・・・。

私はスリランカ赴任中に何回かスリランカ交響楽団(SOS)の演奏会に参加させてもらいました。このことはホームページに書いています。彼等の演奏会は女子高等学校の講堂を会場に行われていました。みっちり練習しても発表の機会はたった一回きりでした。クリスマスコンサートなどは同じ会場で二回行う場合がありました。コロンボにはクラシック音楽会を開くしっかりした会場はまだないからです。

「他の都市(例えばスリランカ第二の都市キャンディ)に演奏旅行することはないのですか」とチェロの「ドュッシー先生」にきいてみたことがありました。他の都市に遠征するお金がないとはっきりと言われたことがありました。コロンボの演奏会も非常に安い料金でやっています。演奏者達は全てアマチュア(他に仕事を持っていると言う意味)なのです。

日本政府(文化庁)はそのような交響楽団を東京に招待して演奏会を開きます。確かに一部のSOS演奏者には楽しい演奏旅行かもしれません。しかし、同じ10月4日東京都内では少なくとも「11」もの音楽会が開催されるのです(「ぶらあば」より)。日本の聴衆が本当のところSOSの音楽をどれほど楽しみにしているのか。私など本当に例外中の例外でしょう。日本政府がいかに現地の事情を知らないか。本当にスリランカのことを考えるなら継続して「支援」すべきです。スリランカの他の都市で演奏会を開くことができるような支援をすべきです。スリランカの多くの人々自国のオーケストラの演奏を聴く機会がないのですから。

インドのムンバイには毎年夏休みの時期に音楽大学の学生が数人やってきます。これはイギリスやオーストリアなどの国の援助の基に、インドの演奏家に演奏を指導したり、一緒に練習したりするためです。音楽が好きな子供達はこれを非常に楽しみにしています。学生達もインドの生活を楽しみます。学生達が基本的に英語が話せて、インドの人々と簡単にコミュニケーションが取れるのですが、日本だって音楽大学生がそれこそ沢山いるはずです。現地に喜ばれる援助を真剣に考えるべきです。

スリランカ滞在中、スリランカ交響楽団の演奏会直前の練習の日(当然夜ですが)、スリランカに派遣されている日本の海外青年協力隊の方の演奏会がありました。最近は音大出身の方の派遣も多いようです。SOSメンバーは私も含めて当然練習があるので聞きに行くことは出来ませんでした。その数日後のSOSの演奏会でその協力隊の方々に会ったのですが、協力隊の方々は「なぜ自分達の演奏会を聞きに来なかったのだろう。必ず勉強になるはずだったのに」と話してくれました。その時すごく悲しい気持ちになりました。
09月18日(火)
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