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Kenの日記
by Ken
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■遍路四日目:第58番仙遊寺まで
第56番泰山寺は高台にある近代的なお寺でした。泰山寺を打ち終えると遍路道は直線的に「蒼社川」に向かいます。この「蒼社川」には渇水期に川の中を歩いた遍路道があるというのですが、草が茂っていて分からないし川は細くても水嵩があるので渡ることはできそうにもありませんでした。結局堤防の上の遍路道を通りました。この堤防道の直前には歩き遍路休憩所と四国遍路無縁仏墓がありました。昔は橋など無いので水嵩が増した川は渡ることができず何日か待たされた遍路にとっては難所であったのだろうと想像されます。

蒼社川を渡って山道に入っていくと山裾に第57番栄福寺がありました。非常にこじんまりした寺です。この寺のご住職はサラリーマン経験者だそうで「僕は坊さん」という本を書いています。それを原作として2015年に映画が製作されました。イラストや写真の得意な住職さんのようです。

栄福寺を過ぎると遍路道はどんどん山を登っていきます。遍路道マークを見落とさないように慎重に歩いたのですが、ここで遍路道マークを見失ってしまいました。道沿いの畑で作業している地元の人に第58番仙遊寺への道を聞くと車道を教えてくれたので歩き遍路道を諦めて車道を歩くこととにしました。同じ人に仙遊寺の場所を聞くと遥か山の頂上にある建物を指さしたのでした。

今日の最後に大変な苦難が待っていました。仙遊寺のある山の頂上までは車道が続いていますが、車道のくねくねをショートカットするように直線的に登っていく歩き遍路道が待ち構えていました。この急坂の遍路道を休み休み登って漸く仙遊寺に到着しました。この日の宿は「仙遊寺宿坊」。この急坂を降りるのは明日になります。

仙遊寺では「愛知の佐藤」さんと再会しました。そのほかオランダから来ている「バス」さんが夕食の時に私の向かいに座りました。「バス」さんはサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼でオランダからサンチアゴまで3000Km歩いた経験があり、今回四国遍路に挑戦中なのです。バスさんは「腰の痛み」を抱えての遍路です。「愛知の佐藤」さんを中心にバスさんのペースにあった遍路宿を探してあげました。

仙遊寺の夕食では「愛知の佐藤」さんを中心に翌々日の「第60番横峰寺登山」の道順、宿の取り方の話に花が咲きました。私は「湯の里温泉しこくや」に宿をとって遍路地図に示されている東側の川沿いの遍路道を歩こうと考えていたのですが、夕食でご一緒した何人かの遍路はそれより西側の遍路道に進んで、61番園寺、62番宝寿寺、63番吉祥寺を先に回って「伊予小松」に宿を取り、翌日荷物を宿に預けて「第60横峯寺」を軽装で往復するという方法を考えていました。

三坂峠を降りてからずっと平地の遍路道を歩いてきたのですが、この「第60番横峯寺」で久しぶりの「遍路ころがし」が待ち受けています。遍路初挑戦の遍路にとっては十分に研究して、できるだけ無難に歩きたいというのが本音です。

仙遊寺は山の上にあるために今治市の夜景は見事なものでした。また遠くに「島なみ海道」の橋が見えます。そして遠くに見えるのが広島市なのだと寺の方が教えてくれました。高い山に登った甲斐がありました。
 
○シーバマコト(6:30)→ 伊予北条発7:13分JR
○伊予浅海→第54番延命寺(19km)(12:00)
○第55番南光坊(3.4km)
○第56番泰山寺(3.0km)
○第57番栄福寺(3.1km)
○第58番仙遊寺(4.0km)→仙遊寺宿坊
総行程32.5Km 宿:仙遊寺宿坊 歩数:52,473歩

10月24日(月)
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