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Kenの日記
by Ken
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■ローマに移動
「聖アンドレア・デラ・ヴァッレ」教会はナチオナーレ通りのアルゼンチーナのバス停で降りると直ぐに分かる目立つ場所にあります。テルミニ方面からのバスに対する格好の広告掲示場所となるため壁面に大きな広告が飾られています。私達は朝一早かったので教会内部は空いていて内部の空気はかなりひんやりしていました。朝日が天井の窓を通して堂内に差し込むため非常に美しい光の帯を光に映し出される装飾を見ることができました。ローマの教会は昼休みの休憩が長くて午後の開放は3時過ぎになる場所が多いので、教会を見学するのは午前中、それも早い時間帯が望ましいことを実感しました。

教会を出て近くのファルネーゼ宮殿に行くために狭い街路を散策しました。教会の裏方向にはファルネーゼ宮殿に近い場所に「カンポ・ディ・フィオーレ」があります。花の市が賑やかな場所だが日曜日は休みだと調べていたのですが、食料品や厨房用品や花の屋台が既に開店していて賑やかの様子にびっくりしました。わざわざお土産を買っている時間が勿体ないのでここでイタリア土産として「バルサミコ酢、オリーブオイル、パルミジャーノチーズ」を買い込みました。

広場からファルネーゼ宮は直ぐ目と鼻の先です。トスカではここに居室を持つローマ警備長官のスカルピオとトスカのやり取りが行われます。非常に重厚なたてものなのでニ幕の雰囲気にぴったりです。しかしバチカン近くのサンタンジェロ城を脱走したアンジェロッティが、警備長官のいるファルネーゼ宮に程近い「聖アンドレア・デラ・ヴァッレ」に逃げ込むのはやはり少し疑問符が付きます。「灯台下暗し」を狙ったのか。

トスカの舞台を切り上げて、午後はヴェネチア広場からフォロ・ローマ、コロッセオに向かいました。朝が早かったので12時にはお腹がすいてしまいましたが、その時間帯にやっているレストランは少なく選択枝は限られます。カヴール近くのレストランで昼食を取りました。もっともいつも注文するのはピザ、パスタ、野菜サラダくらいですが。

フォロ・ローマは大都会の真ん中にある古代遺跡ですが、正直言って土剥き出しの遺跡は土埃りが立つ朽ちた遺跡群なのであまり感心しませんでした。古代ローマの政治の中枢であったのですからもう少し工夫できないものでしょうか。古代の建物を復元するとか全体に覆うとか。2000年前に高度な文明があったことは貴重だと思いますが、このまま現在の破壊された姿でずっと保存し続けるべきだと簡単には決められないと思いました。

フォロの南のコロッセオはかなりの姿が残っているため興味深い遺跡です。古代ローマの残酷な楽しみの名残です。その残酷さとか乱れたローマの性風俗がキリスト教の広がりによってどのように変化していったのか非常に興味深いテーマです。現在ローマのあちらこちらにあるキリスト教教会・聖堂はキリスト教の勝利の証拠なのですから。

コロッセオの見学を終えた時間はまだそれほど遅くは無かったのですが、ホテル近くでオペラアリアコンサートがあるために身体を休めるために早めにホテルに戻ることにしました。地下鉄を利用するとローマテルミニ駅までは直ぐでした。

***オペラアリアコンサート***

ホテル近くの小さなホールでオペラアリアコンサートが開かれていることはインターネットの情報で知っていました。オペラ座の「魔笛」は事前にチケットを買っておきましたがアリアコンサートはその日の疲労の度合いによって決めることとしていました。実はナポリ滞在中にカンツォーネコンサートに行く事も考えていたのですが、言葉の分からないだろうからと取り止めにしたのでした。オペラアリアなら筋はだいたい分かるし、バリバリではなくともイタリアのそれなりの歌手の方の声を聞いて見たいという興味もあり行って見ることにしました。

結果として非常に興味深い体験となりました。ソプラノ、メゾ、テナー、バリトンの4人の歌手が伝統的な衣装を着て有名なオペラアリアを歌う(ピアノ伴奏は藤谷さんという日本人ピアニストの方)コンサートです。ソプラノ、バリトンの方の声は素晴らしく歌も心がこもったものでした。会場は200人入るかどうかという小さなホールでしたが彼等の声には驚きました。


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03月25日(日)
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