ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■アイス、アイス、ベイビー。
息子・タク(8才)は友達の家に遊びに行ってしまったが、娘・R(10才)はこんどのピアノ発表会で着る服を買いたいというので僕が連れて行った。
Rとおデートである。オヤジと洋服を買いに行くことなんて、Rの年齢を考えるとこれがほぼ最後に近いんじゃないかなー、と思ったり。
めぼしいお店に行って
「試着してきなさい」
気に入った服を着てみさせようとすると
「えー」
何故かモジモジしているので
「着なきゃわかんないだろ!」
と背中を押して試着室に入らせて着させてみると
「あれ、カワイイね」
なんてやってるうちに
「じゃあ次にコレ着るね」
Rもノリノリになってきた。で、ようやく決まったお気に入りの服を買い、あとはこないだプールに行って破れてしまった浮き輪やプールバッグを買ったり。順調に買い物が進んでRが好きなキディランドの前を通りかかったところ
「あっ!ヘアゴムが半額だ!ねえパパ買っていい?」
Rがものすごい勢いで食らい付いてきた。
「うんいいよ」
と答えてやるといろんな種類の中から時間をかけてふたつのヘアゴムを選び、僕に見せた。
「じゃあそれ買っておいで。レジあっちだから」
「えっ。Rお金持ってないもん」
なにー。てっきり自分の小遣いで買うもんだと思ってたら…。とんだ小悪魔だぜ。
ひととおり買い物が済み、帰ろうとしていたところ、サーティーワンのお店が目に入った。ちょうどおやつタイムだったので
「アイスでも食べてくか」
と言うと
「いいの?でもたっくんが…」
まず弟を気にかける優しい姉。
「いいんだよ。おやつの時間だし。それにいつもRよりタクの方がたくさんおねだりしてるからな」
先ほどはRにおねだりされてしまったが、そんなことは稀で、タクの方がやれポケモンカード買ってとかコロコロコミック買ってとかうるさいんである。で、Rが選んだアイスは「ロッキーロード」。渋い!確か「あたしんち」のお父さんが好きなヤツだ。で、僕はRの勧めで「ポッピングシャワー」。口の中でバチバチ弾ける。普通にストロベリーとかにしておけばよかった…。
アイスも食べ終わって帰り道、ケーキ屋さんの前を通りかかった。ウィンドウにはキレイなバースデーケーキがあって、
「あっ!そういえばRの誕生日が来月じゃないか!早いなー。もう11才か…」
ちっちゃいながらもうそんな年か…としみじみしながら言うと
「みえないけどね」
Rが自虐風な笑顔を見せた。でも、その仕草が今まで見たことがないような大人っぽさで。
大人になっても一緒にオヤジとアイス舐めてくれないかなー、なんて、
「いえないけどね」
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07月08日(火)
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