ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■アリナミンCええかこC。
あれはこないだの土日のことじゃった。
小学校で朝市をするということで、おっさんソフトボールチームに所属する僕も手伝いに駆り出された。
まず土曜日に売り物となる野菜の運搬と仕分けをPTAや町内会の人達と行なう。
「こんぐらい入れればいいですかねー」
とか一袋50円で売り出すほうれん草とかを袋詰めしたりして。
準備が全て終わって、
「野菜を買いたい人は買ってっていいですよ」
と言われた。卵が特にお得っぽかったので買って行こうかと思ったが、本当に必要なのかどうかは嫁に聞かないと分からない。電話しても仕事中なので出ない。もしかしたら嫁が充分仕入れているかも知れず、
「余計なもの買ってきやがって!こんな日持ちしないヤツどうすんの!」
と怒られてひたすら卵かけゴハンを食わざるを得ない状況になったらどうしよう。美味しそうだけどコレステロールが怖いわあ、とか躊躇していたらあっという間に卵は売切れてしまった。
家に帰ってから嫁に聞いたら
「あったらあったでそういう献立にするから買ってきてもよかったのに」
とのことでズコー。
日曜日の朝は、前日倉庫にしまった野菜を展開する作業。それが終わればお役御免だ、と解放される気満々でいたら、野菜の売り子をやらされてしまった。
朝市の横では同時に防災講習が行なわれていて、最後に炊き出し訓練という名目で参加者に牛丼が配られる予定になっていた。それを目当てに娘・R(10才)と息子・タク(8才)が僕のところにやって来た。嫁は学校の図書室の受付があって来れないのだ。
「ねえパパ牛丼は?牛丼!」
「早く牛丼食べたい!」
と野菜を売るのに一生懸命な僕にすがりつく。
「うるさい!まだだ!野菜売るの手伝え!」
牛丼牛丼てキン肉マンかお前ら。
「やすいよー。100円だよー」
僕が言うよりもカワイイ子ども達に呼び込みさせたほうが食らいつきがいいだろう、という姑息な考えでRとタクを手伝わせた。そんな中、
「あら、こんにちはー」
とやってきたのは、おっさんソフトボールチーム全員の憧れの的、超美人音楽先生である。
「どうもどうも。でゅふふふ…。これ…どうぞ…」
「あ、ありがとうございます」
つい緊張してしまって上手く喋れず、野菜をタダで押し付けてしまった。そして周りのソフトボールおやじから
「なにええかこしいしてんだよ!」
と、どつかれた。みんなそれなりにただれた女性経験を持つおっさんばかりなのに、何故か音楽先生の前では童貞中学生のようになってしまう。
お昼ごろまでやって、無事野菜をすべて売り捌き、牛丼にもありつけて、お疲れ様でしたーと解散した。牛丼はおかわりできるほどたくさんあったので、嫁のぶんももらってしまった。
「あー…でも、朝からやって、一日仕事ですねえ」
「ホントに」
とおやじたちと話しながら帰ったのであった。
朝イチから朝市のお話でしたとさ。
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06月13日(金)
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