ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ピカチュウ修行中。
息子・タク(8才)がハマッているポケモンカードゲーム。
また対戦がしたいというので近所のおもちゃ屋に連れて行った。ここはポケモンカードのつわもの達が集まりバトルする、定期的なイベントが行なわれているという。そんな聖地的なところが幸か不幸かウチからすぐの距離にある。
そのおもちゃ屋は昔ながらのおもちゃ屋で、所狭しとおもちゃが積み上げられていた。
「そんじゃ行って来い」
とタクをわざと突き放してみると「ヤダ」と怯えたので、しょうがねーなーと
「ポケモンカードのイベントに参加したいんですけど」
おもちゃ一筋50年みたいな現代の匠風な店主らしき人に声をかけると
「はいはい、じゃあここに名前買いて、参加費200円で、奥の方で待っててくださいね」
と案内された。おもちゃ屋の奥にには机がいくつか並べられた狭い部屋があった。ここがカードバトルの会場らしい。そしてそこには歴戦のツワモノの貫禄がある参加者が3人ほどいた。みんないい年した大人だ。子どもはタクひとりである。その人たちと話してみると
「今日はみんな(常連が)大阪行っちゃってほとんどいないんですよ」
と言う。
「大阪?」
「大会やってるんですよ。今日」
「ああ!」
そういえば先日タクがパシフィコ横浜で参加した大会の関西版が今日なのであった。
「遠征しちゃうんですね…。すごいですね…」
気合が違う、と驚いた。遠征せずにここにいる人たちも、話を聞くとこないだの関東大会で2位になったとか、キャリア10年とか、ツワモノばかりであった。そんなことを話しているとまず第一戦めが始まった。タク、当然のようにボロ負けすると悔しくて泣いてしまった。
「泣くな!負けることで強くなれるんだぞ…」
と励ましていると
「ぼ、ぼく、勝っちゃまずかったですかね」
と対戦相手。気の良さそうなおじさんだけに、気を遣わせてしまってるではないか。
「いえ、もちろんいいんですよ。ボコボコにして。」
そう謝ってタクは次の対戦相手とのゲーム。もちろんその後も負け続けて、全敗で終了。しかしその後は
「よし、じゃあもう一回やるかい?」
と声をかけてくれて、たぶん手加減してくれたんだろう、タクを勝たせてくれたり、参加賞のカード(ランダムで何が当たるか分からない)を
「これはいいやつだからあげるよ」
と、わざわざよこしてくれる優しい人もいた。
「いいかー、なんで相手が強いのか、なんで自分が負けたのか研究することが大切なんだ」
店長もそう励ましてくれてバトルは終了した。帰り道、
「ねえパパー、強くしたいからアレとコレとソレのカードが欲しいんだ」
タクが自分の手持ちを強くするためにいろんなカードを欲しがった。どう強くなるか考えていくと、結局はいくら金をぶっこめるか、このことになってしまうんだよなあ。
「そうすれば勝てるんだよう」
タクはおねだりするが、結構有用なカードはやっぱり高い。とてもタクのお小遣いでは手が届かない。
僕もアメックスブラックカードとか強いカードが欲しいんだけどね…。
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05月23日(金)
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