ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■娘よ。
考えてみると、娘・R(10才)はもう小学5年生である。
5年生といえばもう思春期ではないか。オヤジが忌み嫌われ、「キモイ」「クサイ」「寄らないで」「触らないで」と、今まで懐いてきた娘が手のひら返しになる時期である。もう僕もいつRにそういう態度を取られてもおかしくない時期にきてしまった。待ったなしである。
ただ今のところ一緒にお風呂に入ってくれるし、一緒に寝てくれるし、イスに座っていると、いつも僕の背中とイスの背もたれの間にぐいぐい入り込んできてへばりつく。
「なんでいつもここに入ってくんの!」
まとわりつかれるのは嫌いではないのだが、さすがに窮屈なので聞いてみると
「ここが好きだから。ここはRの指定席なの」
とのことで、何故か知らんが気に入っているようだ。そんなわけでまだRに思春期の兆候は無い。
ある日、子供たちと出掛けたとき、Rと手を繋いで、これもまた、ああ、いつまで一緒に手を繋いでくれるんだか、思春期になれば云々…とか泣きそうになりながら歩いていたところ、向こうからランニングをしているおっさんとすれ違った。
「あれ?こんちは!」
「あーどもども!」
よく見るとRの同級生の父親であり、おっさんソフトボールチームのメンバーのひとりであった。
「いやー、体鍛えてんだねー。偉いわ…」
と感心しながら颯爽と走り抜けていくおっさんを見送ると
「パパも見習わないとね。ウフフ」
Rがしたり顔で呟くではないか。その上目遣いのいたずらっぽい笑顔が、なんかおませな女の子みたいでドキッとしてしまった。やっぱり成長しているんだなあ…。
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04月13日(日)
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