ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■隣の子とラーメン。
栃木の実家でくつろいでいた。
娘・R(10才)と息子・タク(8才)は、隣に住む女の子と遊んでいる。この子はタクと同い年で、僕らが帰省するとすぐ
「遊ぼ!」
と、すっ飛んで来るのだ。何ヶ月かにいっぺんしか会わないのに、昨日も遊んでいたかのような打ち解けっぷりは羨ましい。
いつの間にか外が暗くなり、
「ラーメン食べに行くならそろそろ出かけないと閉まっちゃうよ」
と母が急かす。実家の近くのラーメン屋に行くことにしていたのだ。帰省する度に必ずと言っていいほど食べに行っている美味しい店である。だけど夜はとても早く閉まってしまうのだった。
よしじゃあ行くべか、となったのだけれども、子供達が仲良く盛り上がりすぎていて、隣の子ちゃんをポイッと帰すのもなんだか気が引けたので
「いっしょに行くかい?」
とを誘うと
「行く!」
即答だった。
「じゃあお母さんに言っておいで。てかお母さんも一緒にどうかな」
女の子は自分の家にすっ飛んで行って、すぐ戻ってきた。
「お母さんは用があるから行けないって。あとお金持ってきたよ」
ありゃ、気を遣わせてしまったか。外に出るとちょうどお母さんも庭に出ていたので、
「こっちが誘ったんだからいいんですよ!」
「あらーすいませんねえ」
「じゃ、娘ちゃんお借りします!」
と挨拶してレッツラゴー。ラーメン屋に到着すると結構な混み具合で。
店員さんの中に、長髪のお兄さんがいる。いつもオールバックで結んでいるイケメンで、エグザイルにいそうな感じなので僕らは勝手に「エグザイル」と呼んでいる。この日もエグザイルが厨房にいるのを母が目敏く見つけ、
「あ、エグザイル髪切ってる!」
と小さく叫んだ。なるほどサッパリとした髪型になっておりエグザイル感が減少してしまっているではないか。いや、だから何だということもなくて、わりとどうでもいいことだ。しかし母は気になるようで、ちょうどエグザイルが注文を取りに来たので、
「髪切った?」
と嬉しそうに訊ねるではないか。タモリかよ。
「ええまあ」
エグザイルはちょっとはにかんで答えた。
「ウチの孫がファンなのよ」
母がタクを指してそんなことを言うと
「ぶふっ」
エグザイルは表情を変えずに噴き出し、速やかに注文を取って厨房に戻って行った。母よ、自分がファンなくせに照れ隠しにタクを使うのはやめてもらいたい。
そんなドタバタがあったりで、Rとタクと隣の女の子は、3人でラーメン2杯と餃子2個ずつぐらいを食べた。実質タクがほぼ1杯平らげたかも。Rと隣の女の子はラーメンより餃子にがっついていた。
そして母はラーメンよりイケメンにがっつく、と。なんちて。
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04月04日(金)
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