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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■町内ふしぎ発見!
実家に帰ってひと息付いた僕。
駅から車で帰る途中、とある一角に差し掛かった時、母が運転しながら言ったことを思い出していた。
「この辺は昔、遊郭だったんだよね。宿場町だったから」
地元が昔、小さな宿場町であったことは知っていたが、遊郭まであったことは今まで知らなかった。
「昔って、いつぐらい?」
「お母さんが小学校低学年くらいまではあったかなあ。子供ながら、この辺は空気が違うって思ってたんだよね」
だいたい60年ぐらい前ということになる。宿場町の名残りである古い建物は街道沿いに僅かながら残っている。しかし遊郭の名残りはあるのかどうか。遊郭だった建物はレトロというかモダンというか洒落たものが多くて好きだ。時々そういう建物を撮影したサイトを眺めることがある。
ちょうど隣の家の女の子が、ウチの子らが来たのをすぐさま嗅ぎつけて遊びに来て、子供同士盛り上がり始めたので僕がいなくてもよさそうだ。なので探索してみることにした。以下は僕の実家近辺の観光スポットレポートである。
まずは母が言った元遊郭エリア。すぐ近くながら、子供の頃もほとんど来たことがない場所。しばらくうろついてみたがやはり遊郭の痕跡は微塵もなく、ごく普通の住宅街であった。



全然関係ないけど味のある廃屋やキリスト看板や、いい感じの民家が見つかった。このまま帰るのももったいないのでしばらくうろついてみると、

子供の頃親によく連れて来られたスーパーの廃墟があった。この中に本屋があって、オバQの単行本などを買ってもらったの覚えている。

更ににうろついてみるとエロ本小屋に辿り着いた。中にいかがわしいものがありそうな秘宝館的なワクワク感がたまらない。帰省した時によく車で通るのでずっと気になっていたのだが、まさか母や嫁は子供がいる前で寄るわけにはいかず、まだ中に入ったことがなかったのだ。今日ようやくドキドキしながら趣のあるのれんをくぐって入ってみると…

残念ながらここも廃墟のようだ。ずっと前から故障しているようで、エロ本自販機も錆びまくっていた。
残念な思いでエロ本小屋を後にし、田んぼ道を突っ切っていくと、小さな祠が見えてきた。

これは「お玉稲荷」と呼ばれている、地元のちょっとした伝説スポットである。
昔、お玉さんという器量よしの娘が、ある医者に嫁いだ。しかし他にも医者に嫁がせたいと思っていた人がいて、お玉さんが離縁されるよう、ありもしないひどいことをいいふらした。
そんな話を信じてしまった医者は激怒しお玉さんを切り殺してしまった。お玉さんは
「死ぬ前に髪を洗わせて下さい」
と頼んだそうだ。しかし髪を洗っているところを殺されてしまった。
お玉さんが殺されてから、お玉さんの悪口を言いふらした人の娘が医者に嫁いだ。しかし医者にはその娘がお玉さんに見えてしまい怖くなってまた殺してしまった。
それからというもの、村の住人が雨の日に唐傘を差して歩いていると、髪をちらしたお玉さんの首がぬうっと目の前に出るようになった。
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04月01日(火)
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