ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■わっかいむすめが、せつぶーん。
仕事から帰って来ると、玄関の前に豆が散らばっていた。
豆まきをやったらしい。ウチに入ると
「おびはそと!オラー!」
と息子・タク(8才)がタックルしてきた。そんな仕打ちされちゃあ鬼の目にも涙だよ。
娘・R(10才)とタクは恵方巻きを食べようとしているところであった。節分イベント真っ盛りって感じ。
「ねえパパ!東北東ってどっち!」
Rが方位磁石を手のひらに載せながら僕に聞く。用意したはいいが見方が分からないようだ。だめじゃん…。東北東というのは版画とかで使う…ってそりゃ彫刻刀だ。
「こっちだ」
と見方を教えてやると、ふたりは素直にそっちの方角を見てもぐもぐと恵方巻きを食べ始めた。
「おいしいかい?」
と聞くと、タクが不機嫌そうに、チラシの裏に
「おいしい」
と殴り書きして僕に見せた。恵方巻きを食べている間は喋ってはいけないと言うしきたりを忠実に守っているようであり、食ってる時に話かけんじゃねえ!と顔に書いてあった。誰だこんなマヌケな風習流行らせたの。セブンイレブンか?
「あなたも食べる?」
と嫁に言われたが、
「いらん」
僕は普通のゴハンが食べたかった。巻き寿司はあんまり好きじゃないし、何よりも流通業界の露骨な策略には乗らねーぜ、というひねくれた気持ちがあった。恵方巻きに群がったほぼ10日後にはチョコに群がって、忙しいこって、と。しかし
「パパ、全部食べられないからRの食べて?」
Rは恵方巻きを半分しか食べられないと言うので、さっちゃんかおまえは、と思いつつも可愛かったのでもらって食べてしまった。中のネタは玉子焼きとか桜でんぶとか入った、僕の一番キライな太巻きのタイプであったがまあよい。
一方タクはマグロとかサーモンとか海鮮ネタぎっしりの恵方巻きをモリモリ1本食べ切った。どうせならそっちの方がよかったなあ…。
「Rもたっくんみたいなのにしなかったの?」
明らかにタクのネタの方が高そうだったので思わず聞いてしまったら
「マグロより玉子焼きの方が好き」
単に好みの差だったらしい。
そんなわけで、ポリシーに反して恵方巻きを食べてしまった一方で、誰も僕の性的な意味での恵方巻きを食べてくれませんでしたとさ。
僕の恵方巻きのネタは何かというと、勿論下ネタである。
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02月06日(木)
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