ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■まんが道。
夜、娘・R(10才)と息子・タク(8才)が向かい合ってテーブルに座り、一生懸命ノートに何かを書き込んでいた。
「勉強しているのかい?」
褒めてやろうかな、と思ったら
「ちがう。マンガ描いてるの」
ガッカリした。
テーブルの真ん中には筆箱やら辞書やらが積み重ねられていて、まるでベルリンの壁のようになっていた。お互い、描いているものを覗いてはいけないらしい。
「でもパパは見てもいいだろ?」
と、まずRのマンガを見てみたら、

「花咲けミー!」という、僕の弟が持っていたぬいぐるみを主人公にした4コママンガを描いていた。ふーん、と眺めていると
「見ちゃダメ!」
僕に隠れてタクが後ろから覗いていたのでRがブチ切れた。タク、コソコソとズルするのはいかんな…っていうか、なんで見てはいけないのか意味がわかんないんだけど。
次にタクのマンガを見てみたら、こちらはもうポケモンのマンガであった。タク自身がモデルと思われる男の子がポケモンを捕まえていく話らしい…。
それぞれ思い思いのマンガを描いているが、ふたりのマンガに共通して言えることがあった。それは…。
ゴメン、どんなストーリーか全然分かんない。フキダシの中のセリフがちっさくて読めないし、読めないって言ったら説明してくれるんだけれども、それでもわかんないし。
「ま、一生懸命描いたんだね」
とりあえず当たり障りのないコメントをするに留めた。勉強はダメでもマンガで一発当てて食わしてもらおうかな…なんてことを考えたが、そんな妄想をすることすら許されない、厳しい現実であった。
4コママンガなのにオチとか全然ないんだもん。
翌朝、僕が新聞を広げて読んでいたら
「ああああ!パパ!コボ読ませろ!コボ読ませろ!」
タクが僕から新聞を奪い取る勢いで、強引に「コボちゃん」が載ってる紙面を開いた。そして
「…今日のは意味わかんないね。オチがわかんない」
などと言うので
「えーっらそうに」
と思わず小松政夫の口調で叫んでしまった。まず自分のマンガをどうにかしろと言いたいが、最近はそういうDISりを入れるとすぐいじけてしまうので、ちょっと口に出すのは憚られた。
そしてこの日記もどうやってオチを付けていいのか分からないのであった。
マンガだけにコマっちゃう。なんちて。
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01月31日(金)
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