ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■家族駅伝。
1月2日、朝からテレビで箱根駅伝を見ていた。
東洋大学の絶対的な山の神・柏原選手は卒業してしまったが、双子の設楽兄弟という新たなヒーローの活躍に胸が熱くなった。
熱くなったのは息子・タク(8才)も同様のようで、
「みんなで駅伝ごっこやろうぜ!公園に行って走ろう!」
と主張して止まない。
「えー。疲れるのヤダ…」
とは思いながらも、ずっとウチの中でテレビを見ているのではなく、タクと娘・R(10才)を暴れさせて有り余る体力を発散ないといけないのは確かなので、タクの望む通り近所の運動公園に行った。
「ここで走りたい!」
1周400メートルだろうか、陸上競技用のトラックがあり、タクはここで駅伝ごっこをやりたいと言う。
「パパとボク、ママとRちゃんチームでひとり1周走ってバトンタッチね!」
タクは早く走りたくてしょうがなくて、とっととルールを勝手に決めてとっととスタートした。まずタクとRがよーいドン。
最初はタクが調子に乗って飛ばしまくり、大幅にリードしていたが、だんだんとふざけて蛇行したり疲れたりしていたら、最後の最後で黙々と走っていたRに抜かされた。ウサギとカメか。
そして次が僕と嫁。嫁の性格からすると、わりとガチで勝負に出て来るに違いない、そう予想して
「設楽選手ぅ、スパートです!」
中盤で勝負に出、嫁との差を一気に広げた。ふふふ、僕はかつてランニングをやっていたのだ。その経験は大きい。膝痛めて半年でやめたけど。
終盤まで大きくリードしていたが、重ねて言うが嫁の性格からするとこのままで終わるはずがない…と、思っていた矢先、背後からだすっ、だすっ、という足音が。振り返るともの凄い勢いで嫁が近付いてくるではないか。
「キャアア!山の神が追い上げてきたー!カッシーがきたー!」
僕も残りの力を振り絞り、辛うじて嫁の追撃を振り切り
「いえーい、ゴール」
タクよ、僕達が1位だ、と喜ぼうとしたら
「パパ、ゴールしたら倒れてよ」
「はあ?」
駅伝では全力で駆け、ゴールした直後に倒れ込む選手もいた。タクはそういう場面を見て感動したらしく、僕にもそれをヤレと言うのだ。仕方なく
「うわあああ…」
迫真の演技で倒れ込むと
「ばさー」
タクは僕にコートを覆い被せた。
「さては君、コレがやりたかったんだろう」
「うん」
細かいところまでこだわりを見せる。
「チッ、気付かれるのが遅かったら追い抜けたんだけどなあ」
嫁は悔しそうにこちらを睨む。おっかねえ。
やっぱり嫁は山の神である。柏原選手的な意味ではなく、
「妻のこと。特に、結婚してから何年もたち、口やかましくなった妻(「デジタル大辞泉」より)」
の方の意味で…。
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01月06日(月)
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