ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■帰郷からの帰京。
年末年始は栃木の実家にいたが、嫁は一足先に帰った。

その翌日、朝ごはんを食べていたら、

「きもちわるい…」

急に息子・タク(8才)が苦しそうな顔をして食べるのをやめてしまった。

「どうした?吐きそうか?」

タクは首を横に振る。

「じゃあゴハンはいいから、横になるかい?」

「うん」

「しばらく寝てなさい」

横にさせて様子を見たら、あっさり眠った。疲労がたまっているのだろう。大晦日、生まれて初めて12時過ぎまで起きて、そして初日の出を見るために早起きして、元日以降もはしゃぎまくって遊んで…、とずっとテンションが上がったっきりだったからなあ。

この日はプールに行く予定だったのだけれども当然やめることに。

「行けなくなってごめんね」

楽しみにしていた娘・R(10才)に謝ると

「うん。いいよ」

優しい子である。タクは昼ごろむっくり起きてご飯を食べた。食欲はあるようだ。体温を測ったら37度ジャストで。微妙。風邪じゃなくてもこれぐらいになることはよくあるからなあ…ということでまた様子見。タクはまた寝てしまった14時ごろ起きた。

「きもちわるい…」

調子はよくならないようで、ふたたび体温を測ったら37.5度。上昇してる!

「これは、熱が上がらないうちに帰ったほうがいいかもね…」

本当は翌日帰ることになっていたが、もし高熱になっちゃったりすると実家では身動きが取りにくい。嫁もいないし。そんなわけで急遽帰り支度をし、母と弟に

「バタバタでごめんね」

と駅まで送ってもらった。タクは

「歩けない…」

ということで僕がおんぶした。Uターンラッシュで混んでいるだろうと思い、グリーン券を買って乗り込んだら、甘かったー!グリーン車も満席!

早く帰らなきゃという焦りで湘南新宿ラインのしかも快速という一番混む電車に乗ってしまったことを後悔したけれどももう遅い。コートを床に敷いてバッグを枕にしてタクを寝させた。

「R、座れなくて大丈夫か?」

「うん」

本当にイイ子である。しかしタクは辛そうで

「はきそうかも…」

ぼそっと呟くので、慌ててトイレに連れてった。混んでいるためトイレに行くだけで大変だし、タクが10分ぐらいトイレでうんうん唸っているたので何人も並んでしまったり。結局吐きはしなかったが、トイレから出ても気分が悪そうなので、一旦降りようと思った。

ちょうど大宮の手前あたりで検札の人がやって来て

「(座れないので)普通車に移動されるならグリーン料金を払い戻しいたしますが」

と言うのでそのようにしてもらった。ただ普通車はもっとギューギューなので一旦大宮駅で降り、しばらく吐くかどうかベンチで休憩した後、ちょっと落ち着いてからまたタクをおぶって埼京線に乗り換えた。こっちは幸い空いていた。

池袋でタクをおぶりながら降りる。本当はまだ乗り換えなければならないのだけれども、いい加減僕も疲れたのでここからタクシーでウチの前まで乗り付けることにした。

「ちょ、ちょっと、パパ疲れたから休憩ね」

悲しいかな、池袋駅は巨大なため、駅から外に出たところで腕が限界。タクを降ろして休憩。タクシー乗り場は普通に歩けばなんてことはない距離なのに、タクと荷物を抱えていては辛い。すると、

「ボク、歩くよ。タクシーはあそこ?」

あら、タクがすたすたとタクシー乗り場まで歩いていくではないか。どうやら少し回復してきたようだ。そしてタクシーに乗ってようやくウチの前に到着すると、

「ついたー!ママー!ただいまー!」

猛ダッシュで嫁に抱きついた。なんか、思いっきり復活したようだ。それからは晩ご飯もガツガツ食べるし、ずっと寝てたから夜になっても全然眠くないようで

「パパ!プールあしたいこう!」

すんごいうるさいし。

「一体この急回復はなんなんだ!」

と不思議がると、

「寝不足と疲れが一番の原因だろうけど、酸欠もあるんじゃないの?あの部屋、お母さんがストーブ点けてたし」


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01月11日(土)
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