ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■コインいっこいれる。
嫁が娘・R(10才)の服を買いに行くという。
「行く?」
と言われたので某ショッピングセンターまで付いて行った。女の買い物は長い。嫁とRが服の買い物をしている間、僕は息子・タク(8才)のお守り役。タクはタクで「ポケモントレッタ」というゲームをやりたくて、お小遣いを握りしめて来た。なのでオモチャ売り場に直行するタクを追い掛けて行く僕。
ポケモントレッタというのは、自分のポケモンと敵のポケモンを闘わせて、捕まえられた敵のポケモンのデータが入ったチップがもらえるゲームだ。1回100円。チップの中にもキラキラしたレアなものがあり、当然タクもそれを狙っているのだ。
ゲーム機のあるところに行くと、なんだかチビッコとその親達がゴチャゴチャ行列している。うわー、並んで待つのはかったるいなあ…と思ったが
「ねえパパ!新しいシリーズになってるよ!」
タクは大喜び。新しくなってるから行列になってるのね…。タクをひとりには出来ないので一緒に待っていると、まだまだやりたい男の子がギャンギャン泣いていて
「もう10回やりたい!」
などとムチャを言い、父親に腕を引っ張られて帰って行った。ああ、みっともないなあ…。で、ようやくタクの番になったので
「はいがんばってー」
と適当なことを言って近くのなめこグッズでも見てるかと思ったら
「見ててよ!」
何故か僕もタクのゲームッぷりを見ていなければならないらしい。しょうがないので観戦していると
「やった!」
わりとレアなキラキラしたチップをゲットできたようだ。
「よかったね。じゃ、ママ達と合流しようか」
とっとと行こうぜとタクを連れて行こうとしたら、
「やだ!もう1回やりたい!」
ぶわあああっと泣くではないか。ああ、みっともないなあ…てデジャブじゃねえか。
「まあ、自分の小遣いでやるぶんにはいいよ」
しょうがねえなあ、と並び直してまたプレイ。結局タクは3回もやってしまった。待ち時間含めて1時間ぐらい使ってしまったのではないだろうか。しかしそれでも嫁とRの買い物は終わっていなかったのは流石だ。
ようやく合流してRは
「みてみてー、かわいいでしょ」
女の子らしい、リボンのついたマフラーを嬉しそうに僕らに見せた。するとタクは
「ボクも欲しかった…」
ぶわああっとまた泣くではないか。3度目のデジャブ。
「でもこれ女の子用だよ?」
いくらチビッコとはいえ、男の子が着用すると明らかにおかしい程、このマフラーは女の子女の子していたので、さすがに無理だろ、と言い聞かせたのだが
「それでもボクは欲しいんだ!」
女の子ものが好きなクセに、執念ははなんだか男らしいところを見せるタクであった。
「うーん、将来は『どんだけー』みたいになっちゃうんだろうか…」
「まあ、もしそうなってもワタシは止めないけど…」
嫁と僕はヒソヒソと我が息子の行く末を案じつつ、タクにはまあまあまあ、今度カッコイイの買ってやるから、と、半ば強引に説得して帰ったのであった。
嫁とRは買い物が長く、タクはゲームが長い。
僕はトイレが長い。
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12月02日(月)
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